All the beginning 2 ページ2
暗闇に足音が一際大きくこだますると、全ての檻から一切の気配が消えた。
耳の奥でありもしない音が鳴る。
足音が助けに来たはずなのにキンキンと耳奥で警報がなるような、肌がチリチリとするような、感覚がしていた。
(お母様……!!!)
母の名を心の中で叫んでも母の呼ぶ声は返ってこない。
何かを話している。男が数人でなにかを言っている。
［女の子］
［ここは］
［いない］
そんな単語が複数聞こえ、やはり探しているのは自分だと思い立ち上がろうとした時だった。
後ろからなにかがAの口を押さえて檻から引き離した。
恐怖で固まるAの耳もとで男は小さく囁いた。
「静かに。そう、ええこや」
Aの鼻腔を香の香りがくすぐった。
強い花の香りだった。
柔らかい布に背が包まれる。
煙もないのに煙たくなるような強く残る香りに包まれたままその場を離れた。
.
男の腕の中は暖かく、けれど離れる時に檻にかかった布の隙間からちらりと見えたやせ細った足首が目の奥に焼き付いた。
花の匂いに包まれたまま、明かりの入る場所まで連れて来られるとゆっくりと地面におろされた。
男はAの目線に合わせるように羽織っているローブが土につくことも厭わずしゃがみこんだ。
仮面をした男の素顔はわからないが、どうも悪い人ではなさそうだと直感した。
「お嬢ちゃん名前は？」
「、、、Aフォードです」
男は頷くと、仮面から覗く瞳を細めた。
男は三日月のような仮面をつけていた。丁度右目側が隠れるようになっているそれは今日、サーカスで見ている。
.
鞭を撓らせ真っ白なライトを浴びて歓声を受ける
目元を美しく彩った。
獣を自由自在に操るテイマー。
All the beginning 3→←All the beginning 1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» 大丈夫ですよー^^無理やりのキスも萌えますよ！！！(もしかしてハルオミさんと私だけの特別な性癖……)2章楽しみにしてます^^ (2017年1月13日 1時) (
レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» 返信遅れてしまって申し訳ないです……。いいですよね！！私だけの性癖とかじゃないですよね！？中々惹かれる方いますよね！？って思いながら書いてました。笑二章もお付き合いいただけると嬉しです！ (2017年1月12日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - ジョセフィーヌ・ハルオミさん» やっと一章終わりましたね！お疲れ様です^^いや、ですがあのキスもなかなか萌えます笑1人で「超いい……」とかやってましたもん笑笑幸せなキスも楽しみにしてますw (2017年1月7日 19時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
ジョセフィーヌ・ハルオミ(プロフ) - みよさん» ああああ！！ありがとうございます！！めちゃめちゃうれしいです！！キスまで長かったんですよ……しかも色々誤解を生むような……くそぅはよう幸せなキスしてくれや！と思いながら書いてます。笑今後ともよろしくお願いいたします！ (2017年1月5日 22時) (レス) id: 1a32b5f4a6 (このIDを非表示/違反報告)
みよ(プロフ) - この話めっちゃ好きです！！頑張ってください！！！！キスまで長かったァ〜〜！！！ (2017年1月5日 22時) (レス) id: 437f64176f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハナチル | 作成日時：2016年12月10日 22時
