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「初めまして。目黒蓮です」
初めての時はどこかよそよそしかった。
私に仕事を教えてくれるうちに段々と言葉も砕けて
打ち解けていって。
職場の年下の先輩は
どうしてあんなにも私に居心地の良い居場所を与えてくれたのだろう。
夜勤の前。
家の近くで拾ってもらってどこか適当に時間を潰した。
立ち寄ったレンタルビデオ店で私が気無しに欲しがった
200円の中古のCDを当たり前のように買ってくれた。
夜勤明け。
お互いにひどい顔をしているのに
真っ直ぐに家に帰らず行き慣れたファミレスで朝ごはんを食べてから支払いの伝票を取り合った。
私は幸せ者だったのにいつからあんなに欲深くなったのだろう。
夫に愛されても尚、
私に別の居場所をくれる人を手放したくなくなっていたなんて。
「靴の中砂やべえな、」
「…脱いでいい？」
「ああ、いいよ別に」
好きに寛いだらいい、と再び車を走らせる目黒くん。
彼がまさかこんなことをするなんて思っていなかった。
夫に目黒くんとの関係がバレて職場を辞めた次の日、
ゴミ捨てに出た私の手は
息を切らして現れた彼の「来て」という一言に拐われた。
腕を引かれるまま車に乗せられて
夫を残して家から離れてゆく車の中で
「待って」「だめ、引き返して」と何度呟いても
彼は黙ってあの場から私を拐ったのだ。
「ずいぶん遠くまで走ったよな、」
日も暮れて海からまた遠ざかった。
スタンドに入った彼は洗車機にコインを入れてボタンを押した。
エンジンが切れて静かになる車内。
無音、の後に轟音をたてて洗車機のモップが車を洗い始めた。
私は海からしばらく走ってその間で寝たふりをした。
今も起きるタイミングを失って目は開けられないけれど
視線は感じていた。
「…………
………疲れた？…………ごめんな」
ふざけて私を揶揄ったりするくせに
そんな優しい目、声、
好意を感じずにはいられなかった。
……夫に金銭を制限されて、自由を奪われて、その上に裏切られているなどと愚かすぎる嘘をついた私なのに。
どうしてまだ、
そんな風にできるの。
どうして、私なの
「………おやすみ、」
目黒くん。
このまま引き返せないところまで行く気？
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kae(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、有難いお言葉感謝です😭怪しい彼氏も読んでいただけたのですね！嬉しい…似ているなんて本当に光栄な限りです。はるのちゃんは永遠に憧れの存在です。好き同士だと似てくるんでしょうか？😂こちらこそ読んでくださってありがとうございます！！ (2022年8月25日 23時) (
レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様〜！嬉しいコメントありがとうございます！実は私もまたさせていただけるなら…と期待しつつ🙏悪女について沢山の捉え方とストーリーをご提供できて楽しく書かせていただきました！ユッピン様の応援あってこそです。これからもよろしくお願いします！ (2022年8月25日 23時) (レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、第1弾の方も読んで下さり有難うございます🙇ぜひ今後ともかえちゃん、そしてはるのの執筆活動を応援して頂けるとすごく嬉しいです☺️またお会いできますように…！！ (2022年8月25日 23時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、こちらにも感想を送って下さり有難うございます🙇😂私もコラボを受け入れてくれたかえちゃんには本当に感謝しています😢読んで下さったユッピン様にも、勿論多大なる感謝です🙇いつも素敵なコメントを本当に有難うございます…！ (2022年8月25日 22時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 完結お疲れ様でした。怪しい彼氏に続いて今作も最高でした。共同制作なのに作風が似ていて、とても読みやすくて楽しませていただきました。素敵な作品をありがとうございました。今後もお二方の作品楽しみにしています！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 990636348e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
x他1人 | 作成日時：2022年8月10日 21時
