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向こうも俺に気づいて「宮舘くん…？」と目を大きく開いて口に手を当てた。
「…あ、…え、…だよね？そうだよね、やっぱり、」
「え、びっくりした……久しぶり、」
「……ざっと10年ぶり、くらい？」
「うん、そんなくらいになるよね、もう」
………驚いた。
どこかで見たことがある笑顔だと思えばそれは、
高校の時の同級生だった。
見たことがあると言っても俺が知ってるのは過去の顔で
目の前の女性は、正直言ってこれまでの自分の人生の中で出会ったこともないほど美しい人だった。
「え……ここ、で…働いてるの？」
「うん、そうなの。正社員ていうわけじゃないんだけど、」
「あ、そう、なんだ。…いやごめん、びっくりしすぎてね」
「そうだよね。私も今すっごく驚いてる……」
涼しげな目元がにこりと細くなる。
気づきはしたけど、髪の色は落ち着いたブラウンで
自分の魅せ方を熟知しているようなメイクにすっかり大人の女性の立ち振る舞い、
目の前の女性は本当に綺麗になったと思わずにはいられなかった。
あの頃も綺麗な顔立ちだと思っていたけれど、と考えていると「宮舘くん、かっこよくなってて一瞬分からなかったよ」と言われてしまう。
「お仕事帰り？」
「ああ、うん……少しね、気分転換に」
「それ、左手の指輪ってことは……結婚してるんだ？」
「……うん、」
「じゃあこれ奥様のプレゼントにどうかな？」
「きっと気にいると思うよ」と改めてムエットを差し出されるが、受け取れない。
もう1度彼女に名前を呼ばれて、意を決して受け取ると、
ふわりと鼻を掠めたのはひどく妖艶で甘い情熱的な香りだった。
自分でも好きな香りだ、と思ったと同時に
「妻が好きそうだ、」と呟いた。
「それなら是非、」
「…これを渡して、もう1度考えてくれって言えば、あいつは俺に振り向いてくれるのかな」
え？と聞き返した彼女の驚いた顔を見て俺は慌ててごめん、何でもないと呟いてムエットを捨てる。
「私なら………私が奥様なら、もう1度貴方に振り向くよ」
恥ずかしさで視線を外す俺に彼女は力強い声色。
「それなら、下さい。………この“ Iillicit Red ”」
俺はもう妻が変わらないと分かっていたのに
彼女に言われるがままそれを手にしていた。
胸が騒いでいたんだ。
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kae(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、有難いお言葉感謝です😭怪しい彼氏も読んでいただけたのですね！嬉しい…似ているなんて本当に光栄な限りです。はるのちゃんは永遠に憧れの存在です。好き同士だと似てくるんでしょうか？😂こちらこそ読んでくださってありがとうございます！！ (2022年8月25日 23時) (
レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様〜！嬉しいコメントありがとうございます！実は私もまたさせていただけるなら…と期待しつつ🙏悪女について沢山の捉え方とストーリーをご提供できて楽しく書かせていただきました！ユッピン様の応援あってこそです。これからもよろしくお願いします！ (2022年8月25日 23時) (レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、第1弾の方も読んで下さり有難うございます🙇ぜひ今後ともかえちゃん、そしてはるのの執筆活動を応援して頂けるとすごく嬉しいです☺️またお会いできますように…！！ (2022年8月25日 23時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、こちらにも感想を送って下さり有難うございます🙇😂私もコラボを受け入れてくれたかえちゃんには本当に感謝しています😢読んで下さったユッピン様にも、勿論多大なる感謝です🙇いつも素敵なコメントを本当に有難うございます…！ (2022年8月25日 22時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 完結お疲れ様でした。怪しい彼氏に続いて今作も最高でした。共同制作なのに作風が似ていて、とても読みやすくて楽しませていただきました。素敵な作品をありがとうございました。今後もお二方の作品楽しみにしています！ (2022年8月24日 15時) (レス) id: 990636348e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
x他1人 | 作成日時：2022年8月10日 21時
