6話 欲望は心を喰らう ページ7
一語一句、間違えず彼は口にした
それ程彼の中でその言葉が
引っかかり残るほど
忘れられない物になっていたのだろう
酷いことを…とも思うけど
この日記を見るからに
彼女は彼等を大切に思ったいた
だけれど
欲望には抗う術がない
私は《必要ない》と言っても
心の隙間には《欲しい》と思ってる
自分がいるのだから
そこから根が張り広がる
そして、花を咲かせ欲望が大きくなる
いつだって人の心の中には
《欲望》と言う起源があるのだから
ー国広に謝ろうと思って探した
けどいなかった…あぁ、そうだ
私が《出陣》を言っていたからだ…
謝るタイミング、逃したな
国広、ごめんね。傷つけてごめんね…
早く帰ってきて、伝えたい事があるの
だから、早く
帰ってきてー
「持ち帰った戦利品は《髭切》
結局《偽物》の俺は
《本物》の前では存在すらしていない
あいつの目に俺が
映されることもなくなった
必要ともされなくなってきた
存在を、俺を、忘れたかのように
あいつの目に俺は《偽物》として
映るようになった…」
日記を捲る
ーいつの間にか私の周りには
望んでいた彼等、だけど虚しいのは何故？
あんなにも望んでいたのに
あんなにも欲しがったくせに
なのに！
どうして何も満たされないの！？
彼等はもう私の物だと言うのに、何故…っ…
なんでこんなにも苦しいの…
私が望んだのはこんなのじゃない…！ー
彼女の涙の跡だろう
インクが滲んでいた、それをなぞる様に
指先で触れる
『それでも彼女はきっと
貴方と彼等を、大切に思っていたと
私は思います
私には分かります、彼女の苦しみが
彼女の気持ちが』
「お前に何が分かると言うんだ！
何もわかりはしない！
あいつは俺たちの事なんて
どうでも良かったんだ…っ…」
『そんな事ありませんよ
そんな事がないから彼女は
ある決断をしたんです』
「…決断…？」
ー大切な人達へー
ページの真ん中、たった一言
書かれている文字
私はそっとページをめくっていく
この続きが書かれているのは
きっと…
「！これは…」
『彼女は誰にも見せるつもり
なかったのでしょうね、貴方にも
だけど、もう《大切な人達》へと
書いてしまったから
だから、こうして
ページの最後に心の内を書いたのでしょうね
彼女が死んだ後
誰も見ないこの最後のページに』
「っ…」
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ベスくん(プロフ) - 瑠璃さん、ハマってしまいました、なんと言うことでしょう、ずっとシャンパンゴールドが頭から抜けません(笑) 本のことは知りませんでした！なにぶん、ハマったの最近なんです！ (2019年6月21日 1時) (
レス) id: fe5bc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ヒプノシスマイクハマりました?私は麻天狼派です!６月25に麻天狼とポッセ、B,BとMTCの本が発売、すでにTDDの本が発売されてます知ってたらすいません (2019年6月20日 19時) (レス) id: dab8dcba5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベスくん | 作成日時：2019年6月8日 23時
