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27話 護り ページ32

鶯色の瞳に宿る冷たさ
それは心の冷たさも教えてくれた
心の中、感じる事は十人十色
でも、少しでも伝わったら嬉しい
帰蝶さんの気持ち
私は撫でる手を止める、大輪の菊の羽織に描いた陣が浮き上がる

大包平様の上、水へ溶けるように
消えていく








『鶯丸様が悪く思う事も
致し方ないと思います
捉え方も、思いも、それぞれ違います
けれど私は
帰蝶さんが、お二人の為だと言う思いに
嘘は見受けられません』

「‥あの女を知ったような口を聞くのだな、女

お前が思ってるような慈悲深い女ではないぞ」

『少なくとも私は彼女の思いを
鶯丸様よりも知ってると自負しております

信じるのも信じないのも
鶯丸様、貴方の意思です』

「‥‥‥」

『大包平様を封じたのは彼が顕現したてで
誰よりも弱かったから
そんな彼が鶯丸様がいる戦場に赴けば
どうなるか予測出来たから』







最後に小さな静電気が音をたてる
私の霊力が打ち消した護り
大包平様を鶯丸様の手に乗せる

そして、彼を見つめた







『大包平様は鶯丸様の為に
鶯丸様は大包平様の為に

どちらも失ってしまえば、どちらも哀しむ
だから、封じるしか無かったと思います

今にも駆け出して行きそうな彼を
止める術がこれしかないと
咄嗟に判断したのでしょうね』








鶯丸様の手の上、大包平様へまたそっと
手を翳した

護りと言うのは誰かを思うからこそ強くなり
あらゆるモノから護ろうとします
大包平様がご自分で封を解けないのは
帰蝶さんの護りたいと言う気持ちが
強かったから

言葉を紡ぎながら霊力を込めれば
どんどん吸い取られていく
手の上に乗せられた大包平様が
小さく揺れ動く









『鶯丸様、巫女の私が保証致します

帰蝶さんは奪おうとしたのではありません
護ろうとしたのですよ』

「!!」









季節外れの桜の花びらが舞う

真紅の髪、凛々しい立ち姿

揺れる景色の中見えた

大包平!鶯丸様の声、私の身体が重力に従い落ちゆく
そんな私を誰かが受け止めてくれた

だけど、それは今の私には
わからず意識を手放した

28話 大包平→←26話



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作品ジャンル:アニメ
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ベスくん(プロフ) - 瑠璃さん、ハマってしまいました、なんと言うことでしょう、ずっとシャンパンゴールドが頭から抜けません(笑) 本のことは知りませんでした!なにぶん、ハマったの最近なんです! (2019年6月21日 1時) (レス) id: fe5bc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ヒプノシスマイクハマりました?私は麻天狼派です!6月25に麻天狼とポッセ、B,BとMTCの本が発売、すでにTDDの本が発売されてます知ってたらすいません (2019年6月20日 19時) (レス) id: dab8dcba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年6月8日 23時

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