44話 体温と恋熱 ページ44
なに？ずっと俺の事見てさ
もしかして、俺に見惚れてたの？
そう言いながら
私を見つめてきた、雲の隙間から差した
月の明かりが彼を照らす
着物の合わせから覗いた白い肌
名だたる刀剣様の鍛え抜かれた体
衣服で隠れた見れない場所を見たせいか
熱を感じた、鼓動が少し早くなる
な、なんでもありませんと
言い、目を逸らした
掛けてくれた羽織を掴んだ
夜風が吹く隣から小さなくしゃみ
私は清光さんを見つめた
本当は少し肌寒い、それを隠して
私に貸してくれた羽織
そっと近寄ればそっと羽織を半分こ
縁側、月の明かりの下
寄り添う二つの形
触れ合った衣服の上から
伝わる体温、目と目が合えば
桔梗が微笑む、じわっと溢れる熱
くっついてるから暑いだけ…
別に他の意味なんてない
「…寒いの？」
「少しだけ」
「ふーん…まぁ少しならくっついてても
いいけど」
「くっついてあげても
いいですよ？」
そう言った桔梗を見た
間近にある顔、下から覗かれるから
自然と上目遣いの桔梗
俺にくっついてるから？
顔が赤い、瞳も普段よりも少し
艶めいていた
自然と伸びる手、触れた頬が熱い
吸い込まれそうな大きな瞳
映される俺、映す桔梗
誘われるように近づく
知らないからね…本当に俺に惚れても
そう言葉を紡いだ時
桔梗が倒れ込んできた
それに少し戸惑う、なに？桔梗って
意外と積極的な訳？…桔梗？
滲む汗、辛そうな息遣い
真っ赤になってる顔
額に手を当てれば、伝わる熱に驚く
焦る俺に不安が寄り添う
桔梗を抱き上げた時、大将ー？加州の旦那
そろそろ、寝るぞー
障子の隙間から顔を出したのは薬研
薬研…！どうしよ、桔梗が…！
俺の腕の中、桔梗の異変を感じた
薬研が近寄ってくる
額に手を当てる薬研が、加州の旦那
すぐに手拭いと水が張った桶を用意してくれ
そう言えば
桔梗を抱き上げると中へ
残された俺と腕に残った桔梗の体温…
どうしてだろう
すごく切なくて悔しい…
こんな時、俺は何ができる？
桔梗のために
微笑む桔梗の影を浮かんだ
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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです！ (2019年6月26日 10時) (
レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう？ (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベスくん | 作成日時：2019年1月12日 16時
