42話 大倶利伽羅龍 ページ42
桜が舞い上がる
ひらひらと揺れ落ちる中
その姿が現れる
褐色の肌に黒髪、開かれた両目
その姿を見て一番に喜んでいたのは
燭台切様、私の横を通り抜け
両手いっぱい広げ抱きついていた
抱きつかれている本人は
少し嫌そうな表情を浮かべていたが
でも、どこか嬉しそうに見えた
「大倶利伽羅だ
…馴れ合うつもりはない」
「でもさっき馴れ合っていたように
見えました」
「あれは勝手に光忠が
抱きついてきたからだ
俺は馴れ合ってない」
「でも、大倶利伽羅様
私には嬉しそうに笑って見えました」
「……あんたの目は腐ってる」
「伽羅坊、図星をつかれたな」
「つかれていない」
「そうか？
俺にも伽羅坊が嬉しそうに見えたがな」
「それはお前の勘違いだ」
「相変わらず認めようとしないんだな」
「ふん」
「お帰り、伽羅坊」
「お帰り！伽羅ちゃん」
「……あぁ」
「良かったですね、燭台切様、鶴丸さん」
そう言えば燭台切様が私を見てくる
私がきょとんとすれば
僕も名前呼んで欲しいな
微笑んでそう言われた
燭台切様とお呼びしてますがと
返せば、うーん、それじゃなくて…僕も光忠さんって呼んで欲しいって言うか
むしろ、そっちの方がいいかな
少し照れたように見えたその笑顔
ダメかな？
また、その笑顔
その笑顔にダメかなとか言われたら
断る理由が見つからない
わかりましたと頷けば
今度は満面な笑みでありがとう！と
手を握られた
「桔梗ちゃん、僕も伽羅ちゃんも側にいいかな？」
「はい、構いません
光忠さんと大倶利伽羅様が宜しければ」
「ありがとう、本当にありがとう
伽羅ちゃんにもう一度会わせてくれて」
「はい」
「伽羅ちゃん共々、よろしくね」
「もちろんです！」
「馴れ合うつもりはない、知らん」
「伽羅ちゃん！
桔梗ちゃんは僕達の恩人だよ？」
「……はぁ、わかった」
「うん！」
「…あんたに世話になるつもりはないが
馴れ合うつもりもない
…必要となれば戦う」
「ありがとうございます
大倶利伽羅様」
「大倶利伽羅でいい」
「はい、大倶利伽羅さん！」
はぁ…めんどうだ
笑顔のこいつを見つめる
馴れ合うつもりはないが
遠くから見てる分には
悪くない、と思う
不思議とそう思った
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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです！ (2019年6月26日 10時) (
レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう？ (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベスくん | 作成日時：2019年1月12日 16時
