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侑李side
目を覚ませば周りには多くの機械とパタパタと動く看護士さんたち。
元にいた病室でないことを察知すると口にあてがわれた酸素マスクを取ろうとして止められた。
「だめだよ、もうちょっとの間は酸素つけといて。」
「いのーちゃ……ぼく、へーき」
「平気じゃないからここにいるんだよ。侑李が平気だと思っても身体は正直だからね。」
「……ここ、ICU？」
難しい言葉かもしれないけれど、なんとなく知っている。
ICUは具合が悪くなると入らなければならない場所。
看護士さんが常に容体を把握してくれているその場所にきっと自分は来てしまったのだと察するのに時間はかからなかった。
「そう、ICU。ちょっと侑李の心臓が具合悪いって言ってたからここに来たの。不整脈の発作起こしたの覚えてる？」
「んーん、わかんない」
「わかんないか。しょうがないね。」
適当な返事をする伊野尾ちゃんになんとなく頭を使うことがバカらしく思えてきて、そっと目を閉じた。
調子は悪い。心臓がバクバクしているし、なんだか気持ちが悪い。起き上がったらきっと目眩がするのだろう。
不快感に襲われつつも、慣れっこである自分もいて何となくこの場所にいることも理解してしまう。
幼い扱いをされていたって闘病生活は長いのだ。
「びょうしつ、帰れる？」
「もう少し安定したら帰れるよ。」
「もう少しってどれくらい？」
「うーん、胸のドキドキがなくなるまで。」
そんなの、いつになってもなくならないよ。
そう思いつつも、ゴクリと息を飲んで頷いた。
言うことを聞かないと、ここからは出られない。
1人では何もできない自分は常に誰かの助けを必要としているんだ。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました！またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね！期待してます！ (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています！ (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています！ (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱむこ | 作成日時：2020年2月20日 21時
