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大貴side
「ゆーり、具合どう？」
ひさしぶりだね、そう付け足してベッド脇にしゃがみ侑李と視線を合わせる。
すると、眠そうな目蓋が開かれ、侑李は怠そうに目を擦った。
相変わらず点滴の数に変化もなく口元の酸素マスクも取れる予定はないようだ。
侑李とは院内学級で出会ってもう何年になるか。
それでも、ここ2週間ほどはICUにいたため会うことさえ叶わなかった。
そんな中、薮ちゃんから声をかけられたのだ。
久しぶりに侑李になにかしらの授業をやってくれと。
気分転換になるかもしれない。
なにより、大ちゃんは子供の扱いが上手いからとお墨付きを受けて。
「……んぅ、だいちゃ……」
「寝てた？ごめんね、起こしちゃったかな？」
「んーん、、寝れない……苦しいの……ケホッ」
「そう言えば昨日の夜も発作起こしたって言ってたね。」
そっと侑李の背中に手を伸ばし優しくゆっくりとさすってやる。するとゼーゼーとした雑音が振動として伝わってきた。
これでは喋るのも辛いだろうか。
昨日は子供たちがここに来たと言っていたけれどそれが気分転換になったのかは正直わからない。
なにせ、口数が少ないのだというのだから、相当心にも体にもダメージを負っているのだろう。
「……だいちゃん、どうして来たの……？」
「来たら嫌だった？」
ううん。そう言いたげに侑李は小さく横に首を振った。
自分がストレス源になってないならまだマシだ。
「ゆーり、お咳つらいし、お胸いつ痛くなるかわからないし、しんどいでしょ？でも薮ちゃんに聞いたらしんどいとか辛いとか言わないって言ってたよ。」
だからさ、ゆーりはもうちょっと周りに甘えて辛いって言えるようになれたらいいね。
そう続けると優しく髪を撫でる。
侑李に必要なのは辛いと言える勇気と、苦しいと訴える力だ。
医者ではない俺に対しては苦しいとも辛いとも言いやすいだろうが、きっと医者に対しては身構えてしまうのだろう。
「今日はね、ゆーりに授業しに来たんだけど何がいいかな？」
「……心のお勉強したい、」
心のお勉強、それは定期的に開催される保護者も参加可能な勉強会だった。
簡単に言えば心の安定を保つ授業。
俺は心理学も学生時代に学んでいるから、そう言った授業も開催できるのだ。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました！またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね！期待してます！ (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています！ (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています！ (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱむこ | 作成日時：2020年2月20日 21時
