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涼介side
「あれ、侑李は？」
一時帰宅から戻ると隣のベッドは蛻の空。
シーツまでもが剥がされており、点滴台もなくすっきりとしていた。もちろん侑李の姿もない。
「あー侑李ね、ちょっと具合悪くて他のお部屋にいるよ。」
雄也の妙に呑気な声に安堵しつつも不安は消えない。難しい病気を持つ侑李の体は繊細だと聞いていた。
「発作？」
「発作とお腹の調子がちょっと悪いんだ。」
「お腹？」
「色々悩んじゃってたみたいでね、胃がちょっと傷ついちゃってるんだよ。だからそれが治るまでは違うお部屋かな。」
難しい言葉を使わずに教えてくれるが、内容はいまいちわからない。そもそも悩みってなんだろう。
天真爛漫に笑っている侑李が悩み事なんて。
「侑李に会えないの？」
「今はちょっとね。また今度良くなったら教えてあげるから。」
「そんなに悪いの？」
「うーんどうだろう。今は少し落ち着いてると思うけど。」
雄也は嘘が下手だ。だから嘘は吐かない。
それ故に救われることもあるけれど不安になることもある。
いまは後者だった。
「……俺、病院に帰ったら侑李と遊ぼうと思ってたのに、」
「大丈夫。すぐに良くなるさ。」
「ほんと？」
「ああ。俺が嘘ついたことあるか？」
「ない、けど……」
侑李はいつも1人でどこかに行ってしまうから。不安なのだ。
いつも笑顔で帰っては来るけれどそのうち何処かに行ったまま帰ってこないような、そんな気がしていた。
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新道踏切(プロフ) - 面白くて一気読みしてしまいました！またの更新待っています(*^^*) (2020年12月4日 16時) (
レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
ちる - すごくいい話ですね！期待してます！ (2020年3月8日 0時) (レス) id: 86380dcbb6 (このIDを非表示/違反報告)
みこ - ちねんさんのお話を検索してこちらの小説を見つけました。続きを楽しみにしています！ (2020年3月2日 16時) (レス) id: cf2ae7ce49 (このIDを非表示/違反報告)
はなん(プロフ) - 面白いお話ありがとうございます 続きを楽しみにしています！ (2020年2月26日 19時) (レス) id: 039a9f3787 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぱむこ | 作成日時：2020年2月20日 21時
