行きつけの喫茶のアルバイトが余りにも元彼に似ているので取り敢えず一発殴りたいです。

4 ページ7

「だよねぇ…」







「急にそんなこと聞いてどうしたんですか？」









少し間を開けて返答を考える。そういや、なんで私アイツのこと考えてるんだろ。謎だわ〜









「陽菜さん？」









「あ、いや…ね。私の元彼さ独占欲なんでZEROだったから。女の子からしたらもう少し束縛してくれた方が嬉しいよなぁ…て」









「確かに…重すぎるのは嫌ですけどね…」









蘭ちゃんはそう言ってアハハ、と苦笑いを一つ零した。それには共感してしまう。









「そー。蘭ちゃん知ってる？私高校はそこそこモテてたんだよ。たまに重い人いたけどさぁ…」









「ああ…でも陽菜さん綺麗ですから！仕方ありませんよ！」









「び、美女に褒められた…」









そんな動揺を紛らわす為にわざとらしく"コホン"と席をした。









「でもさ…本当に好きな人にしてもらわなきゃ嬉しくないよねぇ」









「そんな全てを悟ったような顔しながら言うのやめてくださいよー」









いや、私は全てを悟りましたよ。あんの自分勝手な野郎のせいでな。









「自分から告っといて自分で振るとかバッカみたいじゃん…」








「？ 陽菜さん何か言いましたか？」









「んにゃ、何でもないよ。それより初音さん。ウェディングドレスも綺麗だろうねぇ！」









「本当ですよね！見たかったなぁ」









誰にも聞こえないくらいボソリと小さく呟いた。そりゃいつもあんななのにこんなテンション見せたら引かれちゃうでしょ。









ああ！こんな楽しいパーティなのに！それもこれもアイツのせいだ！









「ちくしょう…そうですよ！どうせ独身は悲しいですよー！！」









私はやり場のない怒りをグラスに乗せてお酒をお腹に流し込んだ。

5→←3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す