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第115話 ページ20

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茶「……相変わらず、弟思いでいらっしゃる。そして、ただ一人を愛し続けていらっしゃるのですね」



茶「ひとりぼっちの劉輝様と、許嫁であったA様を、あなただけが心から可愛がっておられた」



茶「ご自分と、同じ境遇だったからですか」



静「違う」





それは図らずも事実を認める答えになった。



けれど静蘭はもう構わなかった。





静「あれらだけが、私を慕ってくれたからだ。何の裏もなく、ただ純粋に」



静「心の拠り所にしたのは私のほうだ。劉輝とAがいたから、私は王宮でも生きていけた」



静「愛していたのは、私のほうだ!」





幼い劉輝とAにつけ込んだのは、自分かもしれない





____時々、そう思うこともあった。





それでも、あの子たちに愛されなかったら、この魔物の巣窟で、心を守って生きていくことが出来なかった。





流罪になって、何も告げられないまま王宮を去ることになってしまったあの時から、いつも気にかかっていた。



ひとりぼっちで隅にうずくまっていた末の弟。



許嫁として自分のもとにやってきた、まだ幼かった藤家の長姫。



唯一私を愛してくれた幼い弟とA。



あの子たちはどうしているだろう。



あの子たちの心は。



あの子の居場所は。





____もう二度と、後悔はしないと決めたのだ。





静「言え。何をした」



茶「……どうにも、そう簡単に玉座についてはいただけないようですな」





ふと、静蘭の目に憐れみがよぎった。



王族の気配を漂わせて、静蘭は告げた。





静「……愚かだな、茶太保。お前の目も曇ったものだ。そんなことは不可能だよ」



茶「なにを」



静「朝廷はもう、次の時代へ代替わりしようとしている。お前は時機を逸したんだ」



静「藍楸瑛も李絳攸もすでに主を決めた。その忠誠の在処を」



静「傀儡など王に即けたところで、彼らは私もろともお前を失墜させるのに、いささかのためらいもないだろう」





茶太保の目がくっと見開かれる。



静蘭は冷たく笑った。





静「____そしてな、何より私の末の弟は、お前が考えているほど愚かではない。そして私も、お前が考えているほど従順ではないぞ」





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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時

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