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川上side
合鍵を取り出し、それを差し込む。
時計回りに回せばいとも簡単に扉が開いた。
合鍵を貰ったきっかけもそう言えばAの風邪やったな、なんて思いながらAが一人暮らしする部屋に足を踏み入れた。
やはり朝から体調が頗る悪かったのだろう、それを伺えるほど彼女にしては珍しく部屋が散らかっていた。
台所のシンクを見ても、朝無理やり胃に入れたであろうゼリーのゴミが散乱していたし、薬箱も開いたまま放置されていた。
「…お前、なんでこんな無理すんねん…」
眉間に皺を寄せたまま苦しそうに俺の背中で寝るAに、心配と呆れの両方を含んでそう尋ねる。
…まぁ、返事なんてあらへんのやけど。
ベッドメイクもされていなかったベッドに彼女を寝かせると、風邪に必要なものでも買ってこようかと自身のカバンを手にした。
「…ん、たくろ」
「起こした？」
「…だいじょうぶ」
半ば呂律の回らない話し方でそう言われるけれど、説得力は皆無で。
「今から薬局とかコンビニとか行くけど、何か欲しいものある？」
「…とくに、ない。けど」
“けど”
そのあとの言葉を聞くべく、俺は彼女の近くに寄った。
それを待っていたのか、彼女は俺の手を掴む。
「たくろが、離れるの、や」
…ああもう、コイツはどこまで狡いんだ。
そんなこと言われたら、離れられへん。
「ふふ、たくろの手、冷たい。きもちい。」
そう言ってちょっと楽しそうに笑ったAからそっと目を逸らした。
もともと大きめなパーカーを着ていたこともあり、胸元が若干はだけているし、風邪のせいで火照った頬に潤んだ瞳。
…本当に、これ以上は目に毒だ。
「離れへんから。安心し」
俺がそう言うと、安心したのか眠りにつこうとするAの額にそっとキスを落とす。
「…っ、なに？」
「こっちは、治ってからやから」
唇をさしながらそう言うと、彼女は小さな声で『ばか』と呟く。
そのまま直ぐに寝てしまった。
「…水上に頼んどくかぁ…」
水上に風邪に必要な薬を持ってくるよう住所を送り付けると、彼とのトーク画面には直ぐに既読という文字がつき『了解』という2文字が浮かんだ。
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虹希(プロフ) - 莉華さん» コメント並びにご愛読ありがとうございます。申し訳ないことですが、こちらの作品の後継者の方はありがたいことに既に決定しております。お気持ち、大変嬉しいのですが…。そのお気持ちを、ありがたく受け取っております。これからもこのかわかみかっぷるをお願いします (2020年2月16日 13時) (
レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
莉華(プロフ) - 初コメントです。いつも読ませて貰っています。もし、前にいなければですが、私が力になれるなら、この作品を継がせて頂きたいと思っています！最後になりましたが、合格、本当におめでとうございます！ (2020年2月16日 7時) (レス) id: 907e72034e (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - しろまるさん» ありがとうございます。こんな作者の作品を見てくださり、本当にありがとうございます。残り僅かではありますが、よろしくお願いします (2020年1月24日 7時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
しろまる(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！大学合格おめでとうございます！いつも作品を拝見させていただきありがとうございます！残り短い期間ですが楽しみにしてます！これからも応援してます！ (2020年1月23日 22時) (レス) id: ded50f1d5d (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - 京北わかさん» ありがとうございます。残り期間はわずかとなりますがその期間もこれまでと変わらない応援をよろしくお願いします。 (2020年1月16日 17時) (レス) id: 637c3be836 (このIDを非表示/違反報告)
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