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石川side
「それで、話したいことって?」
「…来てくれたんだ」
俺がそう言うと、“祐希が呼んだんじゃん…”と欠伸を噛み殺しながら言うAに思わず口元が緩んだ。
「Aはどう思ってる?」
敢えて“何を”とは聞かなかった。
聞いたところで、あまり意味が無いと思ったから。
「…祐希は祐希らしくプレーすればいいと思うよ」
「…そうなると俺、めっちゃ俺自己中心的になるけど」
「いいんじゃない?まとめるのはキャプテンの仕事。背中で引っ張るエースも必要だよ」
“俺が決めるって意思がない人には、そもそもエースの資格ないと思うし”と続けたAは俺の方を向く。
「正しい形なんてないよ。祐希らしくいればいい」
それは、ラティーナにいた時に言われたセリフと同じだった。
俺がイタリアに行って、上手くいかなくて、悩んでいる時に言われた台詞。
何度も何度も、Aの言葉に救われてきた。
「…俺らしく、ね」
「そうそう。別にエースのせいでまけるわけじゃないんだから」
23歳には重いかな?
笑う彼女の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
「重くないから。俺は石川祐希だよ」
そう言った俺に彼女がニヤリと笑ったのが分かった。
「そう来なくちゃ」
そんな所までもを好きだと思う俺は、かなり彼女に溺れているのかもしれない。
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虹希(プロフ) - 織ぴーさん» レス遅れました…(´・ω・`)ありがとうございます!これからもよろしくお願いします (2019年11月17日 10時) (レス) id: 6f6e5985a0 (このIDを非表示/違反報告)
織ぴー(プロフ) - こんばんは!更新待ってました!頑張ってください! (2019年10月27日 21時) (レス) id: 79415afd8d (このIDを非表示/違反報告)
虹希(プロフ) - しゅりめるさん» こんにちは!一応オチの予定は関田さんです!小野寺さんとも悩んだので所属をJTにしました笑 (2019年10月13日 17時) (レス) id: 637c3be836 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりめる(プロフ) - こんにちは!この小説は関田さん落ちですか?関田さんの名前を見ただけで嬉しくなってしまって!これからも頑張ってください!応援してます! (2019年10月13日 5時) (レス) id: abe3ed74ec (このIDを非表示/違反報告)
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