僕 ら と 彼 女

． ページ27

赤



*「足がさむい！足が！」

赤「我慢せえ！」



もうすぐで春が来るというのに、デビューシングルの撮影日は気温が低かった。

寒い寒いと全員では言ってたけど、格好的にいちばん寒かったのは間違いなくAやったと思う。



なにわ侍でもう見慣れたスカートの衣装。



スカートの寒さをメイキングカメラに向かって力説してたのは、確かカットされてたと思うけど、女の子って寒そうやな、とは思った。

ので、優しい俺は一応Aにブランケットをスタッフさんから借りて持ってった。



「ありがとう」と素直に言えば可愛いところを「シゲが優しい！怖い！」と言ったんがマイナス百点や。



*「ごめんって、そんな不貞腐れんといて？」

赤「べぇつにぃ？不貞腐れてませんし？」

*「ありがとうって素直に言っとけば良かった、笑」

赤「なんかちゃうやん、これ神ちゃんとかやったら、ありがとうってキャッキャやるんやろ？」



俺ってめんどくさいやつやな、とさすがに思った。

やけど、コントノリになってきて止めるに止められへんくて結局オチなしコントみたいになったねんけど。



何故かAのスカートの寒さはメイキングに収録されてなかったのに、これは収録されてたのが非常に恥ずかしかったのは覚えてる。

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