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砂時計はオリフィスを“現在”として、“過去”と“未来”の意味を持つと、昔 そう本で読んだことがある。
“未来”は、“現在”を通って、“過去”となってゆく と。
「ふふ、やっぱりむりかな？」
君に残された時間は、
あと少し_____
それなら、
「……場所は？」
「どこでもいい。あ、景色が綺麗な所がいいな。自然がいっぱいで、のどかなところ。向こうまでずーっと、山や海が見えたら素敵だよね」
「二人で遠くまで、ずっと行くの」
「うん、どうかな」
それなら、
これから君の“過去”になる“未来”は、
君の望んだとおり、全部全部、俺と一緒に。
世界で一番 大切な君だから、
残りの時間は全て、俺が彩ってあげたい。
「分かった。考えてみようか」
「……ほんとっ？」
「もちろん、北斗の体がとても心配だけど。
薬だって、効くかどうかも分からないって」
昼間高地先生から説明された内容を思い出す。この先、全身の痛みが君を襲う。眠れなくて、食べられなくて、思考が働かなくなるほどの痛みだと聞かされた。
「でも俺、ベッドの上にいるより
大我と遠くへ出掛けることの方が、ずっとずっとしたい事なの」
「ずっとずっと？」
「うん、とっても」
君の声色が、どこか明るくて。
きっとこの選択は間違っていないと、そう思えた。
「明日、先生にお話してみな」
「うん、そうする。……へへ」
声だけで、きっと優しい顔をしているのが分かる。
会って、抱きしめてあげたいな。
「北斗、大好きだよ」
朝まで会えない代わりに、普段あまり言わない台詞を言ってみる。
「ふふ。俺も、とっても好きだよ」
君の照れた声が可愛くて。
結局 今すぐ会いたくなっちゃうね。
「ありがと。目瞑ってみるね。
電話は、そのままがいい」
「うんいいよ。おやすみ北斗」
「おやすみ」
二人で、
遠くに。
瞼を閉じたら、北斗の笑顔が浮かんでくる。
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晴(プロフ) - 名前しずくさん» あとがきまで読んでくださったんですね(^^) 2人はこれからもお互いを想いやっているはずです…！ 長らくのご愛読、ありがとうございました！ (2021年10月5日 19時) (
レス) id: 924db004c7 (このIDを非表示/違反報告)
名前しずく(プロフ) - 金平糖を贈る意味がとっても素敵で、お話にも合っているなあと感じました。今までお疲れ様でした。 (2021年10月4日 9時) (レス) @page44 id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴 | 作成日時：2020年10月21日 20時
