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3月24日11:26 ページ9

「あー、それ5丁目のAさんでさァ」

そんな出来事から数日が経った頃、銀時の前にはこの気温には不釣り合いな隊服を着込んだ沖田総悟が汗一つ見せることなく頬杖をついていた。
パチンコ帰り、ふらりと立ち寄った甘味処で休憩中(という名のサボり)の沖田と出会ったのだ。

甘いもの好き同士、この前の甘味処の話をしたところ沖田はさして驚いた様子もなく女の名前を口にした。

「あの店、通りから見えねぇ位置にあるから全然有名じゃねぇんですけど、まぁ、甘味マニアには知れた隠れ家ってやつで。俺も何度か食いに行ったことありまさァ」
「ふーん、そうなの」
「なんでぃ、新しい店でも見つけたって自慢したかった感じですかぃ?そりゃすまねぇことしやしたね」
「べぇっつにぃ〜?そういうのじゃねぇけどぉ〜」
「あぁ、Aさん。素朴な感じですけどよく見ると整ってますよねぃ。旦那はあぁいうのがタイプですかぃ」
「だから何も言ってねぇだろ!!名前聞かなかったからなんて呼べば良いのか分からなかっただけだっての」

新しいおもちゃでも見つけたかのようにニヤニヤと笑う沖田に銀時は「ちげぇから」と念押しのように釘を刺した。

「いやでも、なんですかねぃ…旦那が特定の誰かを気にするなんざ珍しいじゃねぇですかぃ」
「うるせーな、別に気にしてねーよ」
「そうですかぃ、俺にはとても気にしてないようには見えやせんけど」

要領を得ない沖田の問いに銀時は目を逸らした。
それ以上、沖田も追求する気はなかったのか何事も無かったかのように団子に齧り付く。

じりじりとした暑さにまた汗が滲んだ。
揺れもしない風鈴の姿が目に入って、そういえばあの店はあまり暑くなかったかもしれないと思い出す。

「あちぃ…」
「そりゃあんた、それだけ着込んでりゃ暑いでしょうよ」
「お前に言われたくねぇんだけど」
「俺ぁ、これが仕事着なんでね」

サボってるくせに、そう言って鼻で笑うと今度は沖田が嫌そうな顔で目を逸らした。
パタパタとワイシャツの首元を揺らす辺り、実際のところ暑くて仕方がないのだろう。
沖田はジャケットを脱いで溜息を吐いた。

「ここのところ、仕事が立て込んでましてねぃ」
「あ、機密情報だろそれ。俺ぁ知らねーかんな」
「顔が広ぇあんたを見込んでのことでさぁ。土方さんも了承済みでぃ」
「聞かねーから」
「ま、情報があればって話なんですけどねぃ」

そう言って沖田は「何かあればここまで」と番号の書かれた紙を置いて去って行った。

3月27日15:12→←3月22日14:37



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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時   
作品ジャンル:恋愛
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月ヶ瀬ましろ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» 心温まるメッセージありがとうございます!私生活との兼ね合いで中々こちらにお邪魔できない状況が続いていますが、えだまめンヌ。様の言葉を励みに頑張っていきたいと思います〜! (2020年6月20日 21時) (レス) id: fbcf0daba9 (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - ↓「作品だったとは」の後に「…」を入れるの忘れてしまい変な文章になってしまいました。地味に地味ーに誤字っちゃいました笑すみません! (2020年6月18日 20時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - こんなに色々考えさせられる作品だったとは軽い気持ちで読んだのですが、もう完全にハマっちゃいました。応援しています!!長文失礼致しましたm(_ _)m (2020年6月18日 20時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - けれど、ここにきて予期せぬ展開ばかり起こっていて、ん?ん?となんとか自分なりに考察しながら読み進めています笑どんな結末になるんだろう…!?最後に話が1つに繋がってスカッとなる瞬間がくるのを今から待ち焦がれています! (2020年6月18日 20時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - えええ…。とってもとっても続きが気になります!!初めは本当に「なんじゃこりゃ?」ってなって、あとがきを読んでましろさんにしめしめと一本取られていたとわかったときは少ーし腹が立ちました笑 (2020年6月18日 20時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月ヶ瀬ましろ | 作成日時:2019年5月26日 21時

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