気付かぬ想いと募る恋心。 (ページ3)

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2話ページ3

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「ただいまー」

多田「おかえり」

「ただいまです！」

リビングから出てきた多田さんは、
寝癖のついた髪で、少し寝ぼけた顔。

その姿がどうも面白くて、笑いそうになってしまった。

「さっきまで寝てたんですか？」

多田「ようわかったな。
オフ、無駄にしたわあ」

多田さんはそう言うと、
リビングへと戻っていった。

そのあとを追い、わたしもリビングへ向かった。

それにしても、
やっぱり「おはよう」とか「おかえり」とか、

そういうことを言ってくれる人が家にいるのは、いいもんだ。

リビングにある2人の予定を書き込んだホワイトボード。

玄関にかけてある青と緑の色違いのキーケース。

2人の靴を置くには狭すぎる玄関。

なんだか、どれも見てると嬉しくなる。

多田「飲む？」

「飲みますっ」

冷蔵庫を開け、
ビールを2本出した多田さん。

1本をわたしに渡した。

「今日ね、新ネタやったんですけど、超ウケました」

多田「へえ、お前らおもろいもんなあ」

「へへ、」

多田「俺ら明日新衣装初下ろしやわあ」

「えっ、あのストライプのかっこいいやつ！」

多田「そ」

「楽しみですねえ、きっとファンの人も大喜びですね」

多田「やとええけどな」

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