鬼殺隊の史上最年少の天才剣士は、トリップ少女/弐

50度目の人生 ページ7

声を失ってからも鬼を切り続けている。


不死川家は絶対に守らなくては、そんな強い思いを胸に毎日毎日不死川家の様子を見に行く。


母親が働きに出たのを確認してつけて行く。


それを何日も何日も繰り返す。


そして家へと帰ったのを見届けたら今日ではないと安心して鬼を狩りに行く。


そんな毎日を1年繰り返せば、当然運命の日が来る。


母親の前に鬼舞辻無惨が現れた。


私はスっと間へとはいる。



そして刀を構え、口を開くが声は出ない。


だから口パクで逃げろと訴えれば彼女は逃げて行ってくれた。



鬼｢お前は…あの時の娘だな？随分と変わったな…｣


嫌な笑みを浮かべて近づいてくる無惨に切りかかる。



鬼｢強くもなっている。次といったがまだその刀では私の首は切れぬぞ。｣


そう言った無惨の言葉に下唇を噛み締める。



そりゃそうだ。


黒死牟に苦戦した挙句、取り逃したんだ。


そして胡蝶家をめちゃくちゃにしてしまった。



鬼｢ん？もしや話せなくなったのか？｣



不思議そうにこちらを見る無惨。


ふぅーっふぅーっと漏れる上がった息。


怒りでどうにかなってしまいそうだった。


気づいた時には無惨の攻撃が目の前で、避けきれない、そう思った時だった。


私の視界に先程逃がしたはずの母親がいて、無惨の攻撃を食らってしまう。



『はぁはぁはぁ…』



止まらない血を止めようと傷口を抑えるが、血は溢れ出てくる。



鬼｢チッ貴様を鬼にしようと思っていたが余計な邪魔が入ったな…次は鬼にするからな｣



そう言って無惨は琵琶の音と共に消えた。



鬼にするつもりで攻撃したということは、今彼女には無惨の血が？


どうする、どうする、どうする。




？｢お袋？｣



その幼い声に顔を上げる。


そこには幼少期の不死川実弥がいて、それに気を取られたのが行けなかったのだ。


母親は鬼へと変わり、飛び出して行った。



『(しまった！おいかけなけれは！)』



家へと先回りして、母親が家に入るのを止める。



刀の鞘を口に当て、羽交い締めにする。



『(お願い、落ち着いて。志津さんが今食べようとしているのはあなたの子供だよ。)』



このまま、このまま誰も食べさせずに人に戻れる薬が完成するまで待てれば彼女はまたこの子達の母親に戻れる。



だから、だから頑張って！



暴れる志津さんの爪が辺り、顔や腕に傷がつく。


まずい、このままだと日が登ってしまう。


焦りがつのっていく。

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