80度目の人生 ページ38
私はあいすくりーむをつつきながらぽつり、ぽつりと話し始める。
『君達のお母さんはまず、鬼舞辻無惨という人喰い鬼を増やせる鬼によって人喰い鬼にされてしまった。』
みんなが息を呑むのが分かる。
『私はそう言う人喰い鬼を狩る鬼殺隊という組織の柱だ。柱というのはその組織内で上の方の役職だ。』
実「まさか!お袋を殺したのか!?」
ばぁんっと大きな音を立ててテーブルを乗り超え私の襟元を持ち上げる。
『大丈夫、殺していないよ。私以外の者が着ていたら確実に殺されていた、ということは伝えておこう。私は君たちのお母さんを保護したんだ。』
そう言えば大きく舌打ちをし、私の襟元から手を離す。
私は乱れてしまった襟元を整えながら、実弥さんを睨みつける小芭内に大丈夫だと笑いかける。
『人喰い鬼にされてしまうと日の元を歩けなくなるんだ。体が塵になって消えてしまうから…』
だからあの日は時間が無くて攫うような形をとらせてもらったと告げる。
『君たちのお母さんは今君たちが分からない状態だ。鬼になったばかりの者は極度の飢餓状態になるから、周りの判別が付きにくいんだ。』
鬼にされた奴らは食べ終わってから気づくんだもんな、自分が大切な人を食ってしまったことに…
本当に鬼という生き物は残酷だ…
私はそれから鬼を戻す薬はまだ出来ていないがこれから先にできる可能性があること、まだ人を食っていない実弥さんたちのお母さんは助けられることなど、色々なことを話した。
玄「か、かあちゃんはちゃんと助かるのかよ。」
そう言った玄弥くんは泣きながら私を見つめる。
『今は助かると断言するのは難しいが、私は助けたいと思っている。嫌、助けてみせるよ。』
まっすぐと玄弥くんを見ればわっと先ほどよりも酷く泣き出してしまう。
それにつられて下の子達も一斉に泣き出してしまう。
『えぇ!?ご、ごめん!!泣かないで!さ、実弥さん!玄弥くん達が…!!』
あわわと慌てながら実弥さんを見ると実弥さんも涙を貯めていた。
『実弥さんも!?ど、どうしよう!小芭内!!』
小芭内は呆れたようにこちらを見上げながらあいすくりーむを頬張るばかりで何も言ってくれない。
『(あはは、なんだかこっちが泣きたくなってきたなぁ)』
実「…くろを……」
玄弥くん達を慰めていたら実弥さんがぼそっと何か言う。
『え?』
実「お袋を、お願いします。」
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鮭大根(プロフ) - ウェーイ( ・∇・)面白いです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!!続き楽しみ〜(´-ω-`)ムフフ (2020年8月23日 2時) (レス) id: ef1af2de4e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - や、やばい!続きのお恵みをっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2020年8月23日 0時) (レス) id: 11a9c593be (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます!頑張って続き書いていきますね! (2020年7月5日 23時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
絢 - この話すっごく好きです!続きも楽しみにしてます! (2020年7月1日 17時) (レス) id: 456d2e2709 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - つむ狐さん» ありがとうございます!更新停止してしまっていましたが、これからまた更新を頑張っていくのでお願いします! (2020年6月23日 5時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麗夜 | 作成日時:2020年5月13日 20時