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46度目の人生 ページ3

※自傷行為、流血表現あり


『はぁ、はぁっ…まだ、まだ足りない…力がもっとないと守れない…はぁ…』


ズキッという痛みと共に竹刀が音をたてて私の手から滑り落ちる。


右腕がズキンッズキンッと脈をうつたびに痛む。


『なん、で…?はぁ、はぁ…お願い、頑張ってよ…ねぇ!?』



傷んでいる右腕を左手で殴り続ける。


どれくらいそうしていたのか、右腕は感覚が無くなるほど青紫色になっていて酷く腫れ上がっていた。


『このまま痛みが分らなくなれば、私はもっと強くなれる…?』


痛みさえなければ、攻撃が当たっても死ぬことがない私にとってはなんら問題なく戦いを続けられる。



そう、痛みさえなければいいんだよ…



そのことに気づいた私は台所へ向かい、包丁を取り出す。


そしてそれを何度も何度も何度も足や腕、腹など思いつく限り、届く限りの所を全て刺し、切っていく。



初めこそ痛かったがだんだんと痛みは無くなり始める。



『アハハ、このまま!このまま前みたいに痛くなくなれば!!』



悲「A!何をしている!?」


『あぁ、悲鳴嶼さんおはようございます。何もしてないですよ…?』


悲鳴嶼さんか。



なら大丈夫。


バレない。



だって私が何してるか見えないでしょう?




悲「A、やめなさい。私には見えなくても分かる。血の匂いがする。」



『えぇ?血の匂い…?あは、ほんとーだぁ。悲鳴嶼さんにバレちゃったぁ笑』



それでも止まらない手。



しかし、そんな止まらない手は急に止まる。



悲鳴嶼さんが私の手を掴んだからだ。



『悲鳴嶼さん?私は大丈夫なんですよ?治りますから。』



悲「治ってもこの傷は痛いだろう?」



痛い?



イタイ?あぁ、それ無くすためにしてるのに。



なんでだろう、刺してないはずの胸が凄く痛い。




『何故か刺してない胸が痛いです。』



悲「それは心が傷んでいるからだ。」



『心…?』


緩んだ私の手から血に濡れた包丁が落ちる。



悲鳴嶼さんは静かに立ち上がると、その包丁を拾い流しにおく。



悲「A、風呂に入って来なさい。そこで頭を冷やすといい…」



その言葉に従うようにフラフラと風呂へと向かった。

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鮭大根(プロフ) - ウェーイ( ・∇・)面白いです!!これからも頑張って下さい!!応援してます!!続き楽しみ〜(´-ω-`)ムフフ (2020年8月23日 2時) (レス) id: ef1af2de4e (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - や、やばい!続きのお恵みをっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (2020年8月23日 0時) (レス) id: 11a9c593be (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 絢さん» ありがとうございます!頑張って続き書いていきますね! (2020年7月5日 23時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
- この話すっごく好きです!続きも楽しみにしてます! (2020年7月1日 17時) (レス) id: 456d2e2709 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - つむ狐さん» ありがとうございます!更新停止してしまっていましたが、これからまた更新を頑張っていくのでお願いします! (2020年6月23日 5時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:麗夜 | 作成日時:2020年5月13日 20時

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