出久の双子の姉は愛されたい2 (ページ8)

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愛されたい52 ページ8

あれから月日というものは早く、今は受験間近の三学期に突入しようとしている。

相澤さんとは直々連絡のやり取りをして、たまにご飯をご馳走するかわりに勉強や実技を見てもらった。

流石はプロヒーロー、私の気づいていない弱点やその解決法を教えてくれる。

前まではイメージするのに時間がかかっていたものも、今では直ぐにイメージしそれを出すことが出来るようになった。

異形型の個性を出すのもすっと出来るようになった。

そしてこの長い期間でひとつ驚いたことがある。

それは、雄英高校から推薦が来たことだ。

その話が来た時は驚きのあまり、何も考えずに相澤さんに連絡をしてしまったくらいだ。

相澤さん曰く、強固性のヒーロー向きな奴がいると校長に言ったところ、ぜひ雄英高校にほしいということで推薦をくれたらしい。

そして私はその推薦を受けることにした。

推薦入試までもう１ヶ月を切っていた。

私は更なる個性の強化と、勉強の見直し、それらを満遍なく行い、自分を追い込んでいく。

勿論、その間バイトは休んでいない。

バイトと学校の両立は思ったよりも難しく、何度も心が折れそうになった。

けれど、今はそんな生活も慣れ両立を完璧に行っている。

慣れてみると案外楽しく、やりがいがあった。

そんな三学期の日々も足早に過ぎていき、ついに推薦入試当日となった。

会場には緊張している様な顔、自信に満ち溢れた顔などそれぞれ違った表情をし、とても面白かった。

私はというと緊張もあり、自信あり、不安もありとそれらが混ざってひどい顔をしていたと思う。

推薦入試の内容は至って簡単だった。

個性を駆使し、全長3kmのコースでマラソンを行った。

後は面接やら筆記試験なんかもあった。

そして数日後合格通知が学校に届いた。

結果は堂々の1位。

しかし私はそれを蹴って、一般入試を受けることにした。

理由…？出久が一般入試で受けるからだよ。

同じ土俵に立たないとお母さんに見てもらえないしね。

先生からは正気か！？と言われ、何度も止められた。

しかし私の意思は揺るがない。

相澤さんにも言われた。

それでも私は一般入試を受けることにした。