出久の双子の姉は愛されたい2 (ページ21)

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愛されたい64 ページ21

最後の1件を回り終わったら、コンビニへ行って適当にスイーツを買っていく。

それから急いで家へと戻る。

鍵を開けて家へと入れば、出久が腕立て伏せを片手でしていた。

『出久、いつの間にそんなに筋肉ついたの？凄いね！』

出｢うぇっ！？あれ、A！？｣

ばっとしゃがんで、出久をのぞき込むようにして声をかければ、出久は驚いてバランスを崩す。

私はそれにくすくすと笑いながら、テーブルの上に2つの買ったスイーツを置く。

『出久～、チョコレートケーキかモンブラン、どっちがいい？』

出｢え、じゃあチョコレートケーキ…ってA！どこいってたんだよ｣

出久にチョコレートケーキを出しながら、軽くトレーニングと言えばAもトレーニングしてたんだ…と言われた。

『当たり前じゃん。流石に何もせずに受かれるところだと思ってないよ。』

出｢そ、そうだよね…あ、ありがとう。｣

2人でケーキを食べなからこれまで出来なかった会話を沢山する。

それから話が落ち着いてきた頃に、出久と家を出て駅へと向かう。

『ねぇ、出久…』

出｢？｣

『出久の個性って…』

″もしかしてオールマイトのもの？″その言葉が喉に詰まって出てこない。

まだ確信はない。

けれど、あの日もし何らかの理由でオールマイトが出久の元にわざわざやってきた。

その後は？もしかしたら、オールマイトの個性は…

そんな考えから出てきたひとつの仮説。

オールマイトはナチュラルボーンヒーローとして、今の現代社会の中でNo.1ヒーローだ。

だが、その個性は明らかになっていない。

だからこそ生まれたひとつの仮説。

『あの、ね…』

もし、出久がオールマイトから個性を授かったのだとしたら…

『出久の個性…』

私は…きっと。

『オールマイト、のもの？』

嫉妬でどうにかなってしまう。

出｢なっ…な、何言ってるの、A。そそそんな訳ないじゃないか。｣

出久はわかりやすく嘘をつく。

『出久、私はあなたの嘘を見破れないほど目は濁ってないつもりだよ。その嘘は肯定として捉えていいの？』

あぁ、お願い。

出久、否定をして。

出｢……｣

私の気持ちとは顔を強ばらせ、黙ってしまった出久。

『その無言は肯定としてうけとるわ。ごめんね、出久。私はもう…出久を今まで通りに見てあげられないや。』