出久の双子の姉は愛されたい2 (ページ2)

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愛されたい46 ページ2

私と相澤さんによる長く熱い戦いは私が折れることによって終結。

只今全てを自供し、黒いオーラを身にまとった相澤さんを前に乾いた笑みが零れる。

相「もっと上手く立ち回れなかったのか？」

『…迷惑をかけない約束でしか、私はあそこから出れなかった…私がスタートラインに立つためにはこうするしか無かったんです！！』

つい声を荒らげてしまう。

相澤さんは驚く様子もなく、こちらを見つめる。

周りの道行く人は何事かと野次を飛ばしてくる。

『(あぁ…むかつくなぁ…そうやって遠巻きにばっか見て、いざと言う時自分達が巻き込まれるのを嫌うあーいうやつら。)』

大きく舌打ちをして、周りのヤツらを睨みつける。

すると尻尾をい巻いたように逃げていく野次馬達。

『相澤さん、私は自分が嫌いです。お母さんに愛してもらえない私は…存在する意味が無いんですよ…だから……愛してもらうために頑張らないと…』

相「…とりあえず落ち着け。大丈夫だ…お前は頑張ってるよ。頑張りすぎなくらいには。」

ふわっと香る洗剤の匂い。

そして暖かくて大きな何かが私を包む。

『相澤、さん？』

自分が抱きつかれているんだと気づくにはそう時間はかからなかった。

相澤さんは私から体を離し、悪い落ち着かせるためだ。と言って私の正面にたち直す。

そして視線を合わせると口を先に開いたのは相澤さんだった。

相「ただ俺はお前が頑張りすぎて無理してるように思えたから、上手く立ち回れなかったのか、と聞いた。」

『はい、私にはこの選択しか…』

相「聞いてみたのか？親に。」

『いえ、聞いてもきっと無駄だから…』

相「それはお前の思い込みかもしれないだろう？」

『…怖かったんです、私が。断られるかもしれない、そう思うだけで、その未来があるかもしれないという不確定な未来に怯えて言えなかった…』

ポタっと落ちる涙。

『あはは…勝己の言う通り泣き虫女になっちゃったのかなぁ…!!涙、とまんな…』

拭っても拭っても溢れてくる涙に恥ずかしくなって大きすぎる洋服の袖で顔を隠す。

『相澤さんすみません、私…今だけは無理させてください。止めないでください。』

きっと、今無理をしなかったら私は後悔する。

そしてきっと母には愛してもらえない。

だから、今だけは…

お母さんに愛してもらえるまでは…！

止めないでください、イレイザーヘッド。