検索窓
今日:19 hit、昨日:7 hit、合計:523,348 hit

29度目の人生 ページ34

小さな集落を通り抜ければ、差程遠くない七草山に着く。


『この山は場所によって日が入らないのね…』



つまりそれは、日が出ていてもこの山では鬼が活動できるということ。



『(なら早く終わらせて屋敷に帰ろう。)』



1歩踏み込めば漂う冷気と殺気。



まるで近づくなというように2尺先も見えないような濃い霧が私を包む。


『血の匂い…若しかすると、十二鬼月かもしれないね…』




下弦の鬼か?



私の刀は届くのか?



否、届かせるんだ。



鬼を救うために。



これ以上人が死なないように。





きっとこの霧は鬼の血鬼術だ。


鬼の気配は山の奥の方からする。


奥に行けば行くほど濃くなっていく霧は鬼が奥にいるということを確信づけるものになっている。



『見つけた…鬼さん?助けに来ましたよ。』



岩に座っていた鬼は気配を消していた私に気づいていなかったらしくその声に慌てて振り返る。



その目には下弦の参と書いてあり、見た目はとても幼げな少女だった。



『ほら、今楽にしてあげるよ。抵抗しないでね。』



下参「なんで!?なんでここが分かったの!?」


取り乱し、慌てて戦闘態勢をとる下弦の鬼。


『あなたに近づくにつれ、霧は濃いものになっていた。まるであなたを隠すようにね。』


刀に手を置く。



下弦には初めて出会った。


どれほどの強さなのだろうか。


下参「あぁぁあぁああああ!殺してやる!!お前、鬼殺隊だろ!!!」



『えぇ、そうね。殺せるならどうそ?』


まぁ、死なないらしいけどね…


試しに1度死んでみようかな?



そんなことを考えていたら後ろから大きな棘が隊服を突き破り、心臓を突き破って刺さる。



『ゲホッ…あぁ結構痛いね……でも死ぬ感じはしない……うん、もういいよ。ありがとうね。』



貫通している大きな棘を無視して走り出す。



ずるっという音がして大きな棘が抜け、それと共に大量の血が流れでる。



『あなたが私を殺そうとしてくれたおかげで私が死なないことが分かった。それのお礼に、私の呼吸で向こうに逝かせてあげるね。』



下参「なんでよ!死んでよ!!いやだ、まだ死にたくない!」



涙をボロボロ流しながら、先ほどよりも小ぶりな棘が無数になって降り注ぐ。


それを適当に刀でいなしながら、下弦の参に近づいていく。



下参「いやだ!来ないで!!」


ついには逃亡した鬼。


剣士に背中を向けるなんて…


笑止千万。


殺してくれと言っているようなもの。

30度目の人生→←28度目の人生



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (181 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
385人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , トリップ , チート
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

麗夜(プロフ) - 梅干し太郎さん» 好きですって言ってもらえてすごく嬉しいです!!はい!これからも頑張ってきますのでよろしくお願いします! (2020年5月12日 6時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
梅干し太郎 - この作品好きです!頑張ってください! (2020年5月11日 17時) (レス) id: 15eefd5e4e (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - 藍さん» はい!更新頑張ります!自分が書いた夢小説を面白いと言って貰えるのすごく嬉しいです!ありがとうございます (2020年5月4日 23時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみにしています!面白かったです!! (2020年5月4日 22時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)
麗夜(プロフ) - スノームーンさん!!こちらの作品も読んで頂いてるとは…!!嬉しさの極みです!こちらの更新も頑張るので是非読んでください! (2020年4月30日 1時) (レス) id: da3d507f78 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:麗夜 | 作成日時:2020年4月16日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。