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「っ、…」
何も言えずに黙りこくる私に、電話の向こうのテヒョンさんが首を傾げているのが分かる。
A？と名前を何度も呼ばれて、その度に携帯を持つ手に力が入った。後ろには、私の電話が終わるのを待ってる菜々花さんがいる。
『A、どうしたの？泣いてる？』
「……テヒョンさん」
『なぁに？どうしたの？』
私には、どうすればいいか分からないから。テヒョンさんに正解を教えて欲しい。
「……私たちのこと、知られたら、いけないですよね」
小さな声で、当たり前のことをテヒョンさんに訊ねた。
そりゃ、こんな一般人とのことを知られちゃいけないよ。分かってるけど聞きたかった。
ダメって言われても、菜々花さんにはきっともう何も通用しない。そしたら私は、テヒョンさんのことを守れるのだろうか。
『んー、……必要なら、言って。Aが、信頼できる人なら。』
ちょっと悩んだような間があいてから、テヒョンさんの声が、ゆっくりと私の耳に溶けた。
『大丈夫だよ、Aのことは、僕が守るから。』
僕がAのこと離したくないからね、と照れたように笑う声が聞こえる。不安で曇った心が晴れていくような、そんな感覚。涙がぽろっと右の頬を伝って、着ていた白のブラウスに跡が残った。
「テヒョンさん……ありがとう」
『んふふ、握手する時は、笑顔で来てね？』
はい、と返事をして、本番頑張って下さいと伝えて電話を切る。振り返って、菜々花さんを見ると、菜々花さんはぎょっとしたような顔で走って近づいてきた。
「な、泣いた！？」
「………菜々花さん」
心配そうに私の頬にティッシュをあててくれる菜々花さんを見て、私は決意を固めた。知り合った月日で言えば、テヒョンさんよりもうんと長い菜々花さん。たくさん話して、一緒に働いてきて、菜々花さんが真面目で真っ直ぐな人だというのは知っている。
この人なら、きっと大丈夫。
拳をぎゅっと握って、お腹に力を入れて、声を出す。
「……私、テヒョンさんと、お付き合いしています」
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るめ(プロフ) - ジャスミンさん» ジャスミンさん、すごくすごく嬉しいコメントをありがとうございます…！テヒョンの持つふわふわしていて優しい雰囲気で幸せなお話を書きたいと思っていたのでそう言って頂けるとすごく嬉しいです^^！これからもお暇な際にぜひお付き合い下さい！ (2019年10月14日 1時) (
レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン(プロフ) - なんかもう、ずっとずっとこのお話の2人を読んでいたいし 幸せ気持ちになるし何度も何度も読み返しました(;_;) 癒しをありがとうございます更新楽しみにしてます。るめさんの文章力、文才、表現力に乾杯(;_;) (2019年9月28日 2時) (レス) id: a2850f3adc (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - 千晃さん» 千晃さん、そう言って頂けてすごくすごく嬉しいです^^* まだ少しこの2人のその後のお話は続いて行きますので、よければお付き合いください！コメントありがとうございました！ (2019年6月19日 20時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
千晃(プロフ) - もっとこのお話読んでたいです！！続きも楽しみにしてます！！！！！ (2019年6月17日 17時) (レス) id: 541a949c76 (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - ねおさん» ありがとうございますーー！！そう言って頂けるのが一番の更新の励みになります！コメントありがとうございました。これからもお暇な時間に読んでやってください♪ (2019年6月14日 2時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るめ
| 作成日時：2019年5月15日 1時
