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『知ってるんだね』
ソクジンさんが眉毛を下げて困ったように笑う。そりゃ、韓国語専門に勉強してる女子大生だよ。周りにKーPOPオタクが溢れる専攻だよ。世界の防弾少年団を、BTSを、逆に、知らない訳ない。
『気持ちはすごく有難いです…でも。きっとソクジンさんが困りますよね？』
アイドルの事情は分からないけど、多分、自分のことを知らない人と知っている人では、部屋に置くにしても訳が違うと思う。
…せっかく優しくしてくれて、私の不安に同調して、受け止めてくれて。すごく嬉しかったけど、多分、というか絶対、私はここにいるべきじゃないしいちゃダメだ。
困りますよね？という質問に黙ったままのソクジンさん。それはつまり、そういうことなのだろう。
『あの…何とかしますから。大丈夫です！』
勢い良く席を立ち上がって、何処にあるかも分からない玄関に向かおうとした時。
ソクジンさんに手首を掴まれて、私は動けなくなった。
『やー、ちょっと。僕が何も言ってないのに出ていこうとするなんて、酷いなあ』
『だ、だって…』
『だって、じゃなくて。ダメだよ。もう暗いし。こんな時間に女の子一人で出て行かせる程馬鹿じゃないから』
ほら座って、と促されて、また席に着く。
これも食べな、あっこっちも食べてないじゃん、と取り皿にさらに食べ物を乗せられて、私はちょっと困惑した。
…なんで？嫌だって、思わないの？
『正直、多分これは良くないことなんだと思う。アイドルの僕からしてみればね。すごくリスキーだし、僕はAちゃんのことをよく知らないし』
『っ、なら…』
『でも、直感だけどさ。Aちゃんは、大丈夫だと思うんだ。』
ほら、食べて。と促されて、渋々キムチに口をつける。…美味しい。
『ほら。大丈夫だよ』
『……何が大丈夫なんですか？』
『そんな風に美味しそうにご飯食べる子なら、僕にとって悪いこと、したりしないよ』
なんだ、それ。
ソクジンさんの基準は、何だかちょっと不思議だ。私の吐いた花を、勿体ないからって拾って持って帰って来たり、ご飯を美味しそうに食べるから大丈夫なんて言ったり。
『大丈夫だから、僕のこと、お兄ちゃんだと思って頼ってよ。ね？』
今現在の私に頼れる人はソクジンさんしかいない。それは確かだ。
『あの、ソクジンさん…』
『ん？』
『よろしくお願いします』
ぺこりと頭を下げると、ソクジンさんはうんうんと、嬉しそうに頷いてくれた。
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るめ(プロフ) - ミロさん» わわ！ミロさん！コメントありがとうございます〜！化石を発掘して頂いて幸せな限りです笑 こちらこそいつも素敵なお話をありがとうございます！コメント嬉しかったです^^* (2020年6月13日 14時) (
レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - あやねさん» お読み頂きありがとうございます！そう言って頂けて幸せです。素敵なコメントをこちらこそありがとうございました！ (2020年6月13日 14時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ミロ(プロフ) - 今更のコメント申し訳ありません。癒しのそくじんさんを探していたらここにたどり着きました。こういうちょっとファンタジー要素のあるお話大好きだなー素敵だなーと思ってたらるめさんでした。さすがです。素敵なお話をありがとうございました。 (2020年4月26日 1時) (レス) id: 5d7ae6ba18 (このIDを非表示/違反報告)
あやね - きゅんきゅんしました！とても素敵な小説で時間も忘れて読んでしまいました。ありがとうございます。お疲れ様でした！ (2019年9月23日 1時) (レス) id: 7d823bc9ce (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - あがしおんさん» あがしおん様、コメントありがとうございます！大好きな作品の作者様にそう言って頂けて本当に幸せです。いつもお話楽しく拝読させております…！素敵なコメントありがとうございました！ (2019年9月18日 15時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るめ
| 作成日時：2019年9月14日 1時
