episode.5 ページ6
〜春子side〜
ルイが部屋を出ていってから、私は背もたれに体を預け、天井見つめた。
アイツの姿を二年半ぶりに見て驚くことは沢山あった。
昔より伸びた身長。
少し低くなった声。
そして、昔とは違う、完璧とも言えるほど感情のよめない表情。
「最初から日本へ行かすつもりだったが・・・」
ルイをあの兄弟の中に入れるのは、やはり辞めておいた方がいいのだろうか。
アイツの頭脳、
身体能力、
誰もが認め、欲しがる程のものをアイツは持っている。
わざわざ日本へ行かせなくても、アイツはそこそこ幸せな未来を作り上げることができるはずだ。
「一体何が正解なんだ・・・」
困りはて、頭を抱えていると、ゆっくりと部屋の扉が開かれ、ロブが声をかけてきた。
「春子、仕事は順調かい？」
「まぁまぁだ。今は仕事よりも難しい問題に直面していて、それどころじゃないんだ」
ため息をつきながら、ルイの入れたコーヒーの飲む。
「その問題というのはルイのことか？」
「あぁ」
「日本へ行かすべきなのかを悩んでいるんじゃないかい？」
笑顔でそう言うロブを見て、私は呆気を取られたように笑う。
「何でもお見通しか」
「春子のことならね？」
「なら意見を聞かせてほしい。ロブならどうする？日本へ行かせるか、それとも行かせないか」
「そうだね・・・」
腕を組み考えるロブ。
私はロブの答えをじっと待った。
「これは、わしの意見だが、ルイが自分から言うまで待つかもしれないな」
「待つ？」
「ルイは素直じゃない。かと言って二年半も離れていれば、必ず互いに距離ができる。
それを肌で感じるのは他でもないルイ自身だ。それなら、彼が"行きたい"と言うまで待つのが良いのかもしれないと思う。」
確かに、それにルイはカナダへ戻ってくる前に晴と揉めたとレンから聞いた。
その話が本当なら・・・
「私が出ては邪魔になる・・・か・・・」
「ただ」
ロブ私に言い聞かせるように、言葉を続けた。
「ルイは優秀で頭がいい、その分深く考えてしまう。そんな時、春子の突然の言葉や行動はきっとルイを助けていると思うよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠優(プロフ) - すごく面白かった！！SUPERLOVERSの作品で、こんなにいいものに出会えたのは初めてです！男主君の感情に涙が出たり……。いつもすごい、更新と結末が楽しみで待ってました。続編も書いてくださるならば沢山読みます！！ (2018年5月28日 5時) (
レス) id: ff0955d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 続編もちろん希望です！SUPERLOVERSのあの焦れったい感じの雰囲気がすごく表現されてて、ユピノンさんの小説が大好きです^ ^ これから男主くんがどうなっていくのか、楽しみに続編期待してお待ちしてます！^ ^ (2018年5月28日 3時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 続き気になります！主人公と晴の関係も気になります！なので続編希望します！ (2018年5月28日 3時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 凄い気になる！続編待ってます！！ (2018年5月28日 1時) (レス) id: d972e9a204 (このIDを非表示/違反報告)
玉子(プロフ) - とても楽しませてもらいました！本当にこの物語が大好きで続きもきになるので続編待ってます！ (2018年5月28日 0時) (レス) id: ae214f582e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
