episode.12 ページ13
〜晴side〜
「零、忘れ物はないか？」
「あぁ」
新しい制服に身を包んだ零を見ながら、俺は持ち物の最中チェックをする。
「よし！零、送って行ってやるから乗れ！」
「この車はどうした？」
「えっと・・・店辞めるときに餞別って・・・」
不機嫌な顔で助手席に乗る零に俺は、断ったことを説明するも、俺のその努力は虚しく、学校に着くまでの間、一言も口をきいてくれなかった。
学校に着くと、保護者とまだ幼さの残る顔だちの生徒達が、ぞろぞろと正門を潜っていく姿が目に入った。
「零、俺は車を置いてくるから、先に体育館に行ってろよ」
「分かった」
零をおろし、駐車場へと向かった。
車でくる保護者が多く、駐車場は混雑しており、なかなか車を止めることができない。
それから10分後
「やっと止めれた〜」
さっきよりも人が少なくなった正門を潜り、俺は零が待っている体育館へと急ぐ。
あれ？
体育館ってどこだっけ？
一瞬で俺の顔から血の気が引いていく。
嘘だろ、もし間に合わなかったら・・・
零の晴れ舞台を見逃すことになる！
「えぇええぇ！どこだっけ・・・」
「どうかしたんですか？」
困り、頭を抱えていると、後から声が聞こえてきた。
振り返ると、そこには俺よりも少し低い身長で、零の同じ制服を身に纏う男子生徒の姿があった。
亜樹と蒔麻と同じくらいか？
「あぁ・・・いや、体育館の場所が分からなくてさ・・・」
「そうでしたか、僕も体育館へ行くので案内しますよ？」
「まじ？！助かる！」
俺は名前も知らない好青年と共に、零が待つ体育館へと向かった。
でも、なぜだろう
俺の隣を歩く青年と何処かで会った覚えがある。気がする・・・・
胸のなかに渦巻くモヤモヤに俺は軽く首を傾げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
悠優(プロフ) - すごく面白かった！！SUPERLOVERSの作品で、こんなにいいものに出会えたのは初めてです！男主君の感情に涙が出たり……。いつもすごい、更新と結末が楽しみで待ってました。続編も書いてくださるならば沢山読みます！！ (2018年5月28日 5時) (
レス) id: ff0955d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 続編もちろん希望です！SUPERLOVERSのあの焦れったい感じの雰囲気がすごく表現されてて、ユピノンさんの小説が大好きです^ ^ これから男主くんがどうなっていくのか、楽しみに続編期待してお待ちしてます！^ ^ (2018年5月28日 3時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 続き気になります！主人公と晴の関係も気になります！なので続編希望します！ (2018年5月28日 3時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 凄い気になる！続編待ってます！！ (2018年5月28日 1時) (レス) id: d972e9a204 (このIDを非表示/違反報告)
玉子(プロフ) - とても楽しませてもらいました！本当にこの物語が大好きで続きもきになるので続編待ってます！ (2018年5月28日 0時) (レス) id: ae214f582e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
