episode.10 ページ11
〜晴side〜
今日は零の中学の卒業式。
零の晴れ舞台を見に来たにも関わらず、俺は保護者の女性陣に囲まれ、やっとの思いで帰宅することができた。
俺達は途中、和菓子屋に寄り大家のじいさんが好きなイチゴ大福を買って、零はそのままじいさんの家へと向かって行った。
俺はと言うと、零の卒業祝の為の料理を用意するため、そそくさとアパートへと向かった。
アパートに戻り、料理の準備をしていると、机の上に置いていた、俺の携帯が音をたて鳴り始める。
「もしもし?」
『晴、私だ』
「春子さん?急にどうしたんだよ」
『ルイなんだが、もう少しカナダに居るそうだ』
「え?」
母さんはそのまま、言葉を続ける。
『まぁ、そっちの入学式までには日本へ戻るらしいから、あまり心配するな』
「それはいいんだけど・・・」
ルイは、俺に対して何も言ってなかったんだろうか。
2年半前の出来事が脳裏に浮かぶ。
『ルイは、あまり日本へ帰りたくないようだったがな』
「やっぱり・・・」
自然と俺の声は小さくなり、電話越しでは母さんが微かに笑っている声が聞こえる。
すると、
『春子さん、頼まれていた資料の整理終わりましたよ』
『ご苦労さま、ルイ』
電話越しに懐かしい声が聞こえてきた。
昔よりは少し低くなったその声は、紛れもないルイのものだった。
「え、春子さん・・・今そばに居るのって・・・」
『あぁ、ルイだよ』
『何か言いましたか?』
母さんは、「ルイと話すか?」と聞いてきた。
でも、俺の中で何かがストップをかけてしまう。
「いや、今はいい」
『そうか。ま、要件はそれだけだ。』
切られた電話を見つめながら、俺は思った。
このまま、ルイに会って俺はちゃんと話せるんだろうか。
アイツの顔を見て、笑顔で話せるだろうか・・・
不安が浮かぶ頭を整理して、俺は料理を作ることに集中した。
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悠優(プロフ) - すごく面白かった!!SUPERLOVERSの作品で、こんなにいいものに出会えたのは初めてです!男主君の感情に涙が出たり……。いつもすごい、更新と結末が楽しみで待ってました。続編も書いてくださるならば沢山読みます!! (2018年5月28日 5時) (レス) id: ff0955d0d1 (このIDを非表示/違反報告)
青(プロフ) - 続編もちろん希望です!SUPERLOVERSのあの焦れったい感じの雰囲気がすごく表現されてて、ユピノンさんの小説が大好きです^ ^ これから男主くんがどうなっていくのか、楽しみに続編期待してお待ちしてます!^ ^ (2018年5月28日 3時) (レス) id: a438011908 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 続き気になります!主人公と晴の関係も気になります!なので続編希望します! (2018年5月28日 3時) (レス) id: 3196a4c901 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス(プロフ) - 凄い気になる!続編待ってます!! (2018年5月28日 1時) (レス) id: d972e9a204 (このIDを非表示/違反報告)
玉子(プロフ) - とても楽しませてもらいました!本当にこの物語が大好きで続きもきになるので続編待ってます! (2018年5月28日 0時) (レス) id: ae214f582e (このIDを非表示/違反報告)
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