やってきたスター 8 ページ28
そしてもう一つ
丈一郎「何でジェシー？」
みんなが思ってた疑問を丈君がぶつけてくれた
喜多川「あれ、言ってなかったっけ？
今回はジェシーも出るんだよ？」
この一言で誰も何も話すことはなかった
寧ろ、口を開けて沈黙
それほど驚いている中、楽屋に居た今回のメインメンバーはしれっとした顔で
元から知っていたらしい
「……ジェシー君って、何で来たんですか？」
丈一郎「さぁ…、ジャニーさんの思いつきやろ」
「あー…」
丈君の言葉に納得
幸登「もう始めへん？」
幸登君の言葉に私達はレッスンを開始した
私が出る曲は、ギャンスタのメンバーよりも少なめ
やっぱり技術もないし、こんな短期間では無理だという振り付け師さんからの判断だった
それでもやっぱり、なにか悔しさが残った
"SING FOR YOU"
平野君あたりのソロ曲かなって思いながら練習してたけど、まさかジェシー君やとは思ってなかった
振り付け師「とりあえず通しでやってみよっか」
振り付け師さんの声で、私達はそれぞれ定位置につく
またもやセンターの私
この一週間で何故ド素人の私がセンターなのか理解した
メインは私ではなく、ギャンスタでもない
その前に、マイクを持ちステージを一望する人等が立ちはだかっている
それはとても分厚く、高い壁のようだった
ということは、真ん中よりも前で歌っている人が居ない端の方が目立つわけで
何というか、流石だなと実感させられた
そんな私達のど真ん中の、しかも真ん前に堂々と立つジェシー君は貫禄があった
そのような情景を物珍しそうに他のメンバーもマジマジと見つめる中、曲が掛かった
ジェシー君のダンスも表情も全て光り輝いていて
オーラというか、何から何まで別格だった
彼の中にはステージが想像されているのだろうか
まだ立ったことのない私にとっては未知の世界
そんな彼に圧倒されながらも、この一週間で皆から教えて貰ったこと全てを出し切った
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作者名：柚月
| 作成日時：2015年12月5日 0時
