粘り勝ち。�� ページ15
一瞬の沈黙のあとまた三笘くんが口を開いた。
「先生の頼み事に嫌な顔せず受け入れたり、友達と話す時の楽しそうな笑顔。焦ってる時の可愛いところ。姿勢がいいところ。落ち着いた声も好き。意外と強気なとこもあるよね、そこもけっこう好き。あとは、」
「も、もういいです十分！」
自分から聞いておいて三笘くんの話を遮った。
こんなに言われるとは思っていなくて顔が熱くなる。
赤い顔に気づかれたくなくて少し俯いていると少し冷たい手が私の頬に添えられる。
「こんなに好きになったのAちゃんが初めて。少しは俺に心動いてる？」
そう言って私を見つめる目に身体が固まり声も出なかった。
「よし、帰ろっか」
何事も無かったかのように三笘くんはまた前を歩き始めた。
きっと私の中でもう答えは出ているんだろう。
いつ伝えよう。そんな事を考えているといつの間にか家に着いていた。三笘くんは私を見送って自分の家へと足を向けた。
土曜日の事がまだ頭から離れないまま休み明け学校へ向かうと教室に入る前に数人の女子に囲まれた。
「ねぇ、いつまで三笘くんの近くにいるつもり？振ったくせに彼女ぶってんの？」
「ちが、そんなんじゃ…」
「大体なんでアンタなのよ！地味なくせに」
「目障りだから三苫くんの周りうろつかないでくれない？」
「釣り合うわけないでしょ」
この人たちは私の話なんて聞くつもりは無いんだろう。
次々と口から出てくる言葉たちに私の心は少なからずダメージを受けた。
「釣り合わないなんて、私が1番よくわかってる…」
三笘くんは誰が見てもかっこいい。それに比べて私は特に優れた才能もないし誇れるものなんて見つからない。だけど。
「なに？声小さくて聞こえない」
俯いた顔をあげて私ははっきりとコトバにする。
「こうやって裏でしか言えないあなた達よりは、私の方が！私の方がずっとずっと、三笘くんの事」「なにしてんの？」
最後まで言い切らないうちに誰かに言葉を遮られた。
声のした方を向くと三笘くんが怒りとも無表情とも取れるような表情で立っていた。
「…なにしてんの」
「み、三笘くん、違うの！ちょっと聞きたいことがあっただけで」
三笘くんは言い訳をする女の子たちには目もくれず私の元へへ来た。
「…泣いてる」
そう言われるまで私は自分が泣いていることに気が付かなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 316人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りょー(プロフ) - 葉瑠さん» ありがとうございます！全然大丈夫ですよ🫶🏻暇なときに書いてくださると嬉しいです！ (2023年1月4日 15時) (
レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - りょーさん» はじめまして！板倉選手ですね！お時間いただくと思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです…！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - はじめまして！4番の板倉選手のリクエスト可能でしょうか、？シチュエーションはなんでもかまいません！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - マイメロディさん» お待たせしております！まずは田中選手のお話しを書いてみました！気に入ってもらえたらなによりです🙏他のリクエストもお待ちください☺️ (2023年1月4日 10時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - ひーな@キーテイちゃんさん» またよろしくお願いします☺️ (2022年12月29日 23時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：葉瑠 | 作成日時：2022年12月7日 18時
