桜が降る夜は �� ページ11
どのくらいその場所に居たのかはわからない。
コロコロとサッカーボールが転がって私の足にコンとぶつかり止まった。
ボールが転がってきた方へ目を向けるとそこに居るはずのない人物が立っていた。
「よ、久しぶり」
「……律？なんでいるの？」
「少しだけオフだから帰ってきてん。久しぶりにここに来たくなって。ほんならAおるしびっくりや」
あの頃と変わらない笑顔がそこにはあった。
「ちょい向こう行って。もうちょい。そうその辺！よし、行くでー」
「え、わっ」
言われるがままに適度な距離を空けるとサッカーボールを蹴られる。パス連ってやつ？
「ほら、こっち蹴り」
サッカーはどちらかと言えば苦手だ。
真っ直ぐ蹴るのが難しい。
案の定私が蹴ったボールは予想しない方向に飛んで行ったけど律はいとも簡単に受け取った。
「相変わらず下手やんなぁ。ちゃんと練習しとかな」
「なんの為に練習すんのさ…」
薄暗い中、しばらく2人でボールを蹴っていると律は満足したのか私の横に来て座った。
その横に私も座る。
「…なんだか、律は遠くに行っちゃった気がしてる」
暗くならないようにちょっと明るく振舞った。
「いろいろあったもんなぁ。俺も忙しかったし。卒業まで一緒に帰れんくてごめんな」
そう言って笑いながら話す律はどう思っているのだろう。
今更この気持ちを伝えてどうにかなるのだろうか。
そんな事をずっと考えていたらきっと春は終わってしまうだろう。
「好きやったで、ちゃんと。あん時も今も」
しばらくの沈黙の後、急な告白に驚いて律を見るといつものふざけた感じではなかった。
「変にカッコつけて素直に言われへんかったけどな。したら言うタイミングなくなるし、最悪やー」
「…じゃあなんで今言ったの？」
「今日ここでAに会えたら絶対言うって決めてた」
「私がいなかったら？」
「んー。まぁ、でもほら。おったやん。絶対おると思ってん」
その自信はどこからくるのか。
「…で、返事は？」
私が返す言葉なんてお見通しだ、と言わんばかりの表情に少し腹が立つけどこれも惚れた弱みなのだろう。
「私もずっと律が好きだよ」
そう告げると満足した顔で「知っとった」なんて嬉しそうにするから私も釣られて笑った。
来年もまたここに来よう。その先も。
伊東くんは放っとかれたい Ito→←桜が降る夜は�� Doan
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りょー(プロフ) - 葉瑠さん» ありがとうございます！全然大丈夫ですよ🫶🏻暇なときに書いてくださると嬉しいです！ (2023年1月4日 15時) (
レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - りょーさん» はじめまして！板倉選手ですね！お時間いただくと思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです…！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
りょー(プロフ) - はじめまして！4番の板倉選手のリクエスト可能でしょうか、？シチュエーションはなんでもかまいません！ (2023年1月4日 11時) (レス) id: 499d00a8f3 (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - マイメロディさん» お待たせしております！まずは田中選手のお話しを書いてみました！気に入ってもらえたらなによりです🙏他のリクエストもお待ちください☺️ (2023年1月4日 10時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
葉瑠(プロフ) - ひーな@キーテイちゃんさん» またよろしくお願いします☺️ (2022年12月29日 23時) (レス) id: 392653f59f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉瑠 | 作成日時：2022年12月7日 18時
