拝啓神様…ちょっとチートすぎやしませんか？【ワールドトリガー】 (ページ30)

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第28話　ことわざ② ページ30

遊「なんで矛盾してるんだ？どっちが正しいの？」

修「えっと…どうだろう？」

「ハハ、意味を考えればわかるさ。『急がば回れ』っていうのは慌てている時こそ、確実に安全な道を行けっていう意味でね。『巧遅は拙速に如かず』っていうのは上手だけど遅いより、下手で速いほうがいいって意味だね。考えてみてよ。どっちも正しいと思わないかい？」

遊「うーん？」

「まぁ、ケースバイケースということさ。何事も臨機応変に考えよ。もしかしたらことわざの本質はその考え方にあるのかもね」

遊「なるほど、やっとわかった！」

修君達もついでに勉強になったようだしいい経験をしたなぁ。

「さて、君たちも(鬼)コーチにビシバシ指導してもらいなよ。私も頑張るし～」

チ・修「はい！」

遊「おう！」

三人を激励した後いつも使っている訓練室に入る。

「トリガーオン」

栞「準備ＯＫ？」

「うん、いつでもいいよ」

ランダムで設定されたエリア。

すばやく動く的を打ち抜く練習。

栞「じゃあ敵の位置情報送るね」

「うん」

実戦さながらオペレーターの栞に敵の位置を送ってもらう。

まぁ、異常なほどの速さで動き回る的だこと。

絶対いろいろいじってるな、栞。

とりあえず、練習。

深呼吸をして、目を閉じる。

敵の現在位置、把握。

15秒後の位置を推測、同時にそこまでの軌道(ルート)を設定。

「バイパー」

着弾まで遅いところで15秒。

バンバン

あらゆるところで的が破壊される音がする。

栞「わぁお、50体中46体命中だよ！もうバイパーは習得したんじゃない？しかもリアルタイム設定可能！天才だね！！」

「やめてよ栞、照れる」

栞「真顔で言われてもねぇ～」

顔を見合わせて少し笑う。

今度複合弾の取り扱い説明書(マニュアル)作ってもらおうっと。

「今日はおしまい。対人練習できないんだったら意味ないし」

全く、自称実力派エリート(笑)は何処で何やってんだか。

師匠っていうなら稽古くらいつけろってんだよ。全くもう。

栞「でも、18日にはちゃんと稽古の時間取るって約束したんでしょ？」

「それが怪しいんだよ。あの人がわざわざ日時を決めるなんて絶対なんかある」

というか、その日は太刀川たちが玉狛襲撃に乗り出す日じゃないっけ？

もしかして私もそれに巻き込むつもりか？

いやいや、一瞬で緊急脱出(ベイルアウト)する自信あるわ。