拝啓神様…ちょっとチートすぎやしませんか？【ワールドトリガー】 (ページ1)

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プロローグページ1

その日は普通に仕事が終わって、それから家に帰る途中にコンビニによって晩御飯を買った。

最近掃除してないし、明日は休日だから掃除でもしよう。

そんなことを思いながら甘々のコーヒーをすする。

そうこうしているうちに自宅の前の交差点までやって来た。

今日は残業無しの定時帰宅だからまだ結構早い時間だ。

そのせいか帰宅途中の子供が隣を走っていく。

ボールを持っていることからしても、向こうにある公園で遊んだ帰りなんだろう。

そういえば私そんなに遊んだ記憶ないなぁ。

なんて頭の隅で考えながら歩いているとさっきの子供が横断歩道を渡っているのが見えた。

あの横断歩道はよく心霊スポットなんて言われてて、事故が多発するらしい。

なんでもこの交差点に来るまでに直線の一本道だからついついスピードを上げてブレーキが遅れる、なんてことがあるそうだ。

危険なご時世だ。

でも、そんな目の前で事故が起こるなんて物語の中だけで、さらに言えばそれを助けて死んじゃうなんてさらに絵空事だ。

のんびりと子供を見ていたら奥からどう見ても速度違反をおかしている乗用車がやってきた。

止まる気配も、無い。

子供は車に気づいてない。というか青信号だから安心しきっている。

気付いたら走っていた。

必死に子供を突き飛ばす。

多少のけがはするかもしれないが、大怪我よりはましだろう。

私は、子供の代わりにはねられた。

スローモーションのように流れていく景色をどこか他人事のように眺めていた。

ああ、死ぬんだな、私。

何故かそう確信して、ふと自分はそんなに正義感あふれる善人だったかと、薄れゆく意識の中で考えていた。

答えは……

出なかった。