真実 ページ8
「……ハハハッ」
なんだ、バレてたのか。
ひとしきり笑った後に、俺は静かに言った。
月が再び隠れた暗い屋内に不穏な空気が流れる。
目の前の春花さん…いや、柳生春花は、依然として、恨みを込めた目で俺を睨んでいる。
「何が面白いの?椿を殺したくせに。のうのうと葬式にまで出て。」
私の椿なのに。と
柳生春花は、ギリィ、と効果音がなるくらいに歯を噛んだ。
俺はその言葉に肩をすくめた。
「君は思い違いをしている。」
「椿…いや、彼女は俺に身を委ねたんだ。『助けて』だなんて。まるでこどもだった頃に戻ったみたいだったよ。」
柳生春花は、一瞬狼狽え、「何の話を。」と、聞いた。
「聞きたいだろう?君は椿に歪んだ愛情を向けていたんだからな。」
柳生春花の表情に動揺が滲んだ。
それに畳み掛けるように、俺は続けた。
「君は彼女を自分だけの物にしたかったんだろう?でも、ならなかった。
それは何故か?答えは『早乙女椿は俺の物』だからだ。」
嫌みったらしく、煽るように言ってやれば、
「っこの変態野郎!!椿に何を吹き込んだ!」
案の定、逆ギレして、いつの間にか手に持っていた包丁を突きつけて来た。
柳生春花は、俺の手が"まだ"縛られていると思っている。
煽りに乗って近づいて来た今がチャンスだ。
手を椅子から離して、柳生春花の首を絞める。
突きつけていた包丁は、左手で柳生春花の手から抜き、遠くへ転がした。
包丁がコンクリートに衝突した音を聞き、柳生春花へ向き直った。首を絞める力は緩めないが、死なない程度にはしている。
「っく…び…くるし………なん…で…ッ手…」
形勢逆転に、余程混乱しているようだ。解読すれば、『首が苦しい。何で手が離れている』だろうか。
首を絞めながら、柳生春花に体重を掛け、椅子に座らせる。少々手荒になったが、手を縄で固く結び、拘束し、首から手を離した。
「ゲホッ…ッハ…グッ……」
手を離した途端に咳き込んでしまったが、大丈夫だろう。と、話を続けた。
「…で、何で手が離れたか、だっけ?俺は優しいからな、教えてやるよ。事件の全貌をな。」
柳生春花は、荒い息を繰り返しながら、こちらを睨んでいた。
「まずは、手が離れた事からにしよう。
柳生春花…あんたは俺の手を拘束した時、
『もやい結び』をしただろ?」
「もやい結びは、横からの力に弱い上に、輪の部分を引っ張ると、簡単にほどける。」
「そんな事も知らないのか?」と、俺はしたり顔で言った。
「…ッ」
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hiroko - すごいですね、、、、面白かったです! (2020年12月30日 8時) (レス) id: 8a3d376cd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不鮮明なリンゴ | 作成日時:2020年4月1日 13時