*22. ページ24
『おばあちゃん、今日も帰りお隣さん家寄ってくね』
「はいはい」
いつも通りの朝ごはん。に加えて、この会話もすっかりいつも通りの仲間入りとなった。
初めて撮影を見に行ったあの日から、バイト終わりに晩ごはんを作りに行く&撮影された映像を見させてもらう(皆さんからはチェックお願いします、と言われるけどほとんど私が笑わせてもらってるだけな気がする申し訳ない)役割付きで、マサイさんもしくはシルクさんのお家にお邪魔するようになった。今日で何度目になるかも分からないレベルで、そろそろ晩ごはんのレパートリーが厳しいほどになってきた。今度思いきってリクエスト全員に聞いてみようかな。
「にしても、あんたがここまで仲良くなれるなんてねぇ」
間延びしたおばあちゃんの言葉に不思議に思って、お味噌汁をすすりながらおばあちゃんの方を見るとたまに見せる優しい、何かに安心した笑顔で。
『……どしたの。そんな不思議?』
「いや、不思議じゃあないよ。あの方達が純粋で、とても綺麗な人達だってことは私もちゃんと分かってる。だからあんたも、男の人であれ、あの方達と仲良くなれるんだろうねぇ」
そのおばあちゃんの言葉で、ふっと過去が瞼の裏に蘇る。けれど、もう負けない。過去の話に泣くのは弱い人間がすることだと、そういう風にケジメをつけたのは自分自身だ。
『私、おばあちゃんと二人で暮らす決断して本当によかったって思ってるんよ。あの人達に出会えたからっていうのももちろんやけど、こうして心の底から安心できる場所が家だってことが、どれだけ楽で幸せか……』
「A……。
ほら、もうそろそろ準備しな」
『……うん』
このいつも通りに、数時間後ヒビが入るようなことになるなんて思いもしなかった。
362人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます!気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ!…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ!!!更新待ってます! (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます!そしてなんて嬉しいお言葉……!これからも頑張ります! (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます!!嬉しい限りです、これからも頑張ります!(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いちごだいふくlike | 作成日時:2018年12月5日 22時