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マサイside
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バイト先から出た、とAさんからLINEが来てから30分。バイト先からここまではそう遠くないと聞いているし、さすがに遅すぎやしないかとメンバー間で話していると、シルクが口を開いたのだ。
シルク「なんか……Aちゃん、もう来てそう」
シルクのさりげないちゃん付けと、その発言の中身に、一瞬何言ってるんだとなってから、すぐに思い直す。
これまで会うことも躊躇い、直接話すようになったあの日も、分かりやすいほどに緊張していた彼女だ。少し前に着いていて、ドアの前でしばらくの間躊躇していても不思議ではない。
皆で足音を忍ばせてドアに近づき、シルクがドアスコープで確認すると。
シルク「(やっぱりwww)」
モトキ「(え、ほんとにいるの?)」
マサイ「(またくそ寒いだろうに……w)」
Aさんの事をダーマに説明中のンダホにも伝えにいくと、「マジで?w今日めっちゃ寒いよ?」と苦笑い。いつも割と薄着なダホがそう言うんだ、なかなかに冷えているんだろう。
さあどうする、こちらから開けるか、となったがうちのリーダーは心がまだまだ少年なもんで、ニヒヒ、って感じの効果音がつきそうな笑みを浮かべてこう言った。
シルク「いや、待ってみようぜw」
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主にマサイさんの口から語られた、私が葛藤している間の衝撃エピソードを聞いて、また頭を抱えて叫びだしたくなる。寒さと申し訳なさと戦っていた、あの十数分を返してほしい。
シルク「違うって!!俺だけじゃねぇって、おいお前らぁ!!!」
非難の目をシルクさんに向けると、シルクさんは慌てたように周りを指差して自分一人の罪ではないと言い張るけれど。
ンダホ「俺はダーマと話してたし……w」
ダーマ「右に同じ」
モトキ「確かに俺はシルクの近くにいたけど……どうする?って言ったよ?」
マサイ「俺に関しては、こっちから開けた方がよくね?って提案したよな?」
シルク「ぐぬぬ……でも、俺の決断に黙ってついてきたお前らも同罪だぞ!!」
『罪を認めたんですね、シルクさん』
結局、その後に作ったミートソースパスタの中に、シルクさんの分だけ過去に動画で使ったというデスソースの最上級【ザ・ソース】を数滴垂らすことで、主犯の彼への罰ゲーム的なのは済んだ。けど。
『私、思うんです』
マサイ「何を?」
『見て見ぬ振りも、いけないことなんだなって』
モトキ「?……っあ!!」
マサイ「うわぁぁぁあ!!!」
お二人は、普通のデスソースで許してあげました。
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いちごだいふく(プロフ) - hina4428さん» コメントありがとうございます!気になるところで長い間止めてしまっていました……ただいま更新しましたのでぜひ読んでいただければ嬉しいです! (2019年8月27日 16時) (レス) id: 619c5266ec (このIDを非表示/違反報告)
hina4428 - きになるっ!…続きがっ…気になるぞぉぉぉぉぉ!!!更新待ってます! (2019年8月15日 21時) (レス) id: bd94ce952c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - めろこさん» コメントありがとうございます!そしてなんて嬉しいお言葉……!これからも頑張ります! (2019年5月29日 20時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
めろこ - いちごだいふくさまおかえりなさい。最近読み始めてまた更新して下さうことを楽しみにしておりました。これからの更新楽しみにしております! (2019年5月28日 22時) (レス) id: 9c37dcd8ea (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふく(プロフ) - ハルキさん» コメントありがとうございます!!嬉しい限りです、これからも頑張ります!(^^) (2019年3月24日 11時) (レス) id: 0069fa8620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごだいふくlike | 作成日時:2018年12月5日 22時