EPISODE 9 ページ1
．
リノさんが家を出てから数時間後。
リビングで一人ぼんやりとテレビを眺めていると、なんの前触れもなく扉が開いた。
『……スンミンさん、』
SM｢おはよう、って言ってももうすぐお昼だけどね｣
『おはようございます。あのまま今まで眠られてましたか？』
SM｢そうみたい。自分でもいつ寝たかあんまり覚えてないんだけど……あんな長い時間机に突っ伏して寝たの初めてだから、首がめちゃめちゃ痛い｣
恐らく起きて直ぐにお風呂に直行したのだろう、濡れた髪をタオルで拭きながらスンミンさんはキッチンに移動する。コップに牛乳を入れて、一息に飲み干してからこちらに来て隣にゆっくりと座った。
SM｢ブランケット、ありがとね。それに結構遅い時間まで話も聞いてくれてたし｣
『…いえ。私の方こそ、ありがとうございました』
SM｢話を聞いてもらったのは初めてじゃないんだけどね。Aちゃんに話した後は、正直これまで聞いてもらった時よりもずっと気分がスッキリしたよ｣
『それなら、よかったです』
その言葉がお世辞でないことは、スンミンさんの表情で分かる。本当にスッキリとしていて、悩みが吹き飛んだような。
SM｢まあ、でもこれでAちゃんには借りが出来たわけだけど……約束はしてね｣
『約束、ですか？』
SM｢うん。僕のことを知りたい、って言って、絶対馬鹿にもからかいもしないって誓ってくれたから。それは守ってね｣
『勿論です。私は…』
とそこまで言いかけてから、スンミンさんの目を見て、思わず口を閉じた。
SM｢君は、僕を分かって、受け入れて、認めてくれたから｣
あれ。
どうして。
スンミンさんのお話は、聞いたはず、
暗い過去も、スンミンさんが縛られていたものも、全部受け入れたのに。
なんでまた、そんな暗い目をしているの？
『……え、と』
SM｢聞いて終わりなんて言わないでね、これからも僕のことを分かってくれると思ったから話したんだよ？｣
部屋が冷えてきたから。
少しだけ、ほんの少しだけ、寒気がした。
．
作者です。
この度【愛の答えを知る少女】続編へ移行しました。
いろいろと腑に落ちないシーンが多い前編だったと思います、ここからはそういった点を解き明かしつつ、徐々に崩れる物語を楽しんで頂けたらと思っています。
先に申し上げておきますが、このお話もまだまだ長くなる予定です。気長にお付き合い下されば幸いにございます。
最後になりましたが、ご覧くださっている全ての方に感謝を込めて、続編への挨拶とさせて頂きます。
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名無し96398号(プロフ) - うわーん続き気になりすぎます😭😭😭 (4月7日 1時) (
レス) @page38 id: 55f375899c (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます。本当に長い期間お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。今後も少しづつではありますが更新に励みます！ (6月9日 12時) (レス) id: 4bc1a8b934 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 待ってました！復帰凄く嬉しいです！ (6月8日 18時) (レス) id: 44d030a872 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - saeki3535さん» コメントありがとうございます。本当に励みになるお言葉です、頑張ります！ (6月7日 1時) (レス) @page19 id: 4bc1a8b934 (このIDを非表示/違反報告)
saeki3535(プロフ) - お待ちしておりました…！！この作品が本当に大好きなので再開されるとのことでとても嬉しいです！お体に気をつけて無理なさらず頑張ってください！引き続き応援しております＾＾ (6月6日 15時) (レス) id: 282a4707f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすてい | 作成日時：2021年11月15日 4時
