28輪目 ページ10
「……憂太お前……意外と手ェ早ぇんだな……。つーか寮ですんじゃねぇよ。」
「……は！？え！？何か誤解してない！？違うからね！？」
付き合っている男女が翌朝同じ部屋から出てきたのだから、誤解されても仕方が無い。
乙骨は顔を真っ赤にして違う違うと必死に弁解しているが、何かもう逆に怪しい。
『何が違うんですか？』
何を話しているのか分からないAは、乙骨と真希の顔を交互に見る。
「何も違わないよ！あ！僕そろそろ着替えなきゃ！」
乙骨はAの背中を押して部屋から出そうとするが、それを引き止めるように真希が口を開いた。
「A〜、身体痛くねぇか？大丈夫か？」
『身体？』
真希はニヤニヤしながら、Aと肩を組んだ。
Aの頭はハテナマークだらけだ。
「ちょ、真希さん！！」
『……そういえば痛いかもしれないです……！慣れない姿勢だったからですかね……？』
「ﾌﾞﾌｯ……。Aちゃん言い方……！」
『え……？』
Aは抱き締められたまま寝たのが慣れない姿勢と言いたいのだろうが、大事な部分が抜けていて、乙骨は思わず吹いた。
『あんな姿勢(で寝たの)初めてだったので……。』
「もう辞めて……！」
何が何だか分からないが誤解を招く言い方をしまくるAと、収集がつかなくなって頭を抱えて蹲る乙骨。
コントかよ、と、真希は腹を抱えてゲラゲラと笑っている。
･
あれから直ぐAは自分の部屋へ戻り(乙骨に強制的に戻された)、制服に着替えた乙骨は真希と共に高専の長い廊下を歩く。
「笑いすぎて腹痛てぇ。」
「僕の所為じゃないからね……。」
朝からえらい目にあったと、乙骨は溜め息が零れた。
「Aのアレはわざとじゃないよな……？」
「本物の天然なんだよね……。そこが可愛いんだけど……ふふっ。」
「惚気んじゃねぇよ。」
そう言った真希は、片足で乙骨の尻を蹴った。
「いでっ！」
･
「あ、居たごじょ……って何やってんのよ……。」
『野薔薇先輩！おはようございます！』
五条を探して2年生の教室にやってきた釘崎が目にしたのは、五条とAが並んで座り、机にたくさんのお菓子が広げられている光景。
「……あんたらよく朝からそんな甘いもん食えるわね……。」
「野薔薇も食べる？」
五条はポッ○ーをポリポリと食べながらその箱を渡す。
「……空じゃねぇか！ゴミ渡すんじゃねぇよクズ教師！」
釘崎はその空箱を床に叩きつけた。
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ぱーぷる姫(プロフ) - リクエスト全て叶えてくださって、本当にありがとうございます！！感無量です。 (2022年11月11日 5時) (
レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - こっちにもあっちにも失礼します！もうルンルンで読んでます！何度読んでも色褪せない美しさのあるお話しで大好きです！！ (2022年11月11日 4時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ゆきな☆さん» うわあああありがとうございます(´；ω；｀)頑張ります！！！ (2021年9月14日 19時) (レス) id: fa378eaf30 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 続き待ってますっ！！お体に気をつけてくださいね！！ (2021年9月14日 19時) (レス) id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - お姫様？！なんと素敵なあだ名を！ありがとうございます！更新が楽しみです！ (2021年8月20日 1時) (レス) id: be661beda4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる | 作成日時：2021年8月12日 5時
