陸 ページ45
「貴方には、彼らをのさばらせないだけの権限があった筈だ。なのに、どうして…どうして！」
怒りが、私の言葉を消してしまう。それ程までの怒りが徐々に冷めていった時、私は初めて、
「…用件をお伝え次第、お引き取りください。端的に申し上げれば、貴方がたは信用できない」
怒鳴ったら喉が渇いたので、すっかり冷え切ってしまった自分の分のウバを飲み干した。その味も香りも楽しめず、ティーカップを置かれた受け皿が静かに音を立てた。思いの外、私は冷静だったらしい。
「…返す言葉もありません」静かに、坂口安吾が云った。
この様子では、新庄達がどうしてあの時然るべき処遇を受けなかったのか、聞き出す事は出来ないだろう。
…察するに、この男は�狒韻ぢΝ瓩凌祐屬澄�そんな男がこの件に関して、あのような審判を下して尚且つ、口を割ろうとしないのにはおそらく…然るべき理由がある筈だ。私が思っている以上にこの事件は根が深いのだろう。…そんな事どうだっていいのだが。
そして、坂口安吾の�猜鷙隲瓩�始まった。
「何もかも包み隠さずにご報告したいところなのですが…何から云っていいものやら…」
「順序立てて説明してくだされば結構ですよ」私は冷たく云い放った。
…その時、私は何故か…この坂口安吾という男の隣に座っている織田先生と、彼を見比べてしまった。そして、ある共通項を発見してしまった。
この二人は同じだ。�猝椨瓩�、同じだ。
それは決して瞳の色だとか、輪郭の形だとかちゃちなものではない。坂口安吾は織田作之助のように、私でない、私の中の�狠�か�瓩鮓�ているのだ。私はそれを既に確信してしまっていた。その確信が私の中で大きくなっていくと同時に、坂口安吾は配慮なく、驚くべき事実を告げた。その事実は、私の確信を爆破して跡形も残さない程に、衝撃的だった。
「佐々城信子が…今朝方、獄中で息を引き取りました」
「…え…」驚きを隠せなかった。話が飲み込めない。
死んだ？一体どうして？？
私は彼女に殺されかけた、つい昨日の事を思い出した。
…可哀想な人だった。目に力が宿っていなかった。あんな目をするくらいなら、私なんて殺そうとしなければよかったのに。どうして彼女はあんな事をしたのか。それが今日聞けるかと思ったのに。一体、何故…
「…死んだ、と云えばそうなのかもしれません。けれど殺されたと云っても正しい」
「分かり易く云って頂かないと困ります」
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サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» こんな細かい描写にも気づいて頂けるなんて物書き冥利につきます！消せませんよ、でもここでは説明し切れないので後日改めて説明させて頂きますね! (2018年12月13日 20時) (
レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - しぇるふぃあ。さん» お久しぶりです。しぇるふぃあ。さん、すごく読んで頂いているようなのでとても嬉しいです、ありがとうございます。 (2018年12月13日 20時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - ところで夢主ちゃんは前世が国語教師なのですよね？だったら41pに出てくる安吾さんの名前は知ってるはず…と違和感を覚えました(・・?) はっもしや伏線？ネタバレに触れるようでしたらこのコメントはそっ消ししてくださいm(_ _)m これからも陰ながら応援してます!! (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。 - お久しぶりです！しばらく顔を出せなかった間にすごく進んでて一気読み不可避でした…あんまり好きポインツ語るとコメ欄ネタバレになるので控えますが仲直り本当に良かったです(ネタバレ) (2018年12月13日 19時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 紫苑さん» 応援ありがとうございます!頑張らせていただきます！ (2018年12月2日 23時) (レス) id: 4e09bde857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ | 作成日時：2018年9月20日 12時
