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「…やっぱり無理だなあ、ロボロ以外と付き合うだなんて」
だって、私はずっと。
会ってからずっと、笑顔を絶やし続けてきた彼女は。初めて、そこで。静かに落涙した。
口元は微笑んでいるのに、目元からは次から次へと涙が溢れてくる。
止めた言葉の先は紡がれずとも、告げられるはずだったフレーズは言われずともわかっていた。
だってそれは。俺がずっと言うことが出来なかった二文字と同じだろうから。
「A」
震え始めたか細い肩を抱き寄せた。俺の小柄な体でもすっぽりと収まる彼女が、なんだか儚くて小さいものに見えた気がした。
そうか、…そうやったんか。
馬鹿やなぁ。あんさんも、俺も。
こんな面倒な遠回りをして、勝手に傷ついて。
ほんま、アホや。
「…なぁ。今からでも間に合うやろか」
人知れずに零れた言葉に、すっかり笑顔を失くしたAが腕の中から顔を上げる。零れた涙が夕日でキラキラと輝いている。泣き顔さえも綺麗やな、なんて思えるほど俺の心は静かで落ち着いていた。今までの不戦敗していた頃は何処に行ったんやろなと思う程だ。
「あんなあ…、好きやで、Aが。ずっと好きやった」
宝箱のように、ずっと奥深くにしまい込んでいた二文字がようやく陽の光を浴びた。暗闇にしまいすぎたせいで、その二文字がやけに尊くて、綺麗な宝石のようにも感じる。
Aは一度、二度と瞬きをした。睫毛に溜まっていた雫が頬へと伝わり落ち、それを人差し指で掬い上げてやる。
それから、腫れでも冬の寒さからでもなく。彼女は、あの日の桜のような色で頬を染めて、俺が一番大好きな笑顔を見せてくれた。
「うん、私も好き。ロボロが大好きなの、ずっと」
きゅ、と胸の奥深くが苦しい。でも、幸せな痛みだった。思わずその体を捉えるように抱き締めたら、「痛いよー」と文句と共に背中をぺちぺちと叩かれる。
でもその文句も彼女のくすくすと笑う声で本意でないことなんてお見通し。嫌や、絶対離したらん。と寒そうに晒された首筋へと顔を埋めれば擽ったそうに笑う鈴の声。
「…あのね、ずっと。待ってた」
「せやなぁ。遅うなってすまん」
「うん、許す」
ロボロだから。
彼女の口からこぼれる自分の名前を聞くだけでも嬉しいだなんて、結構末期ちゃうか。馬鹿正直に言うと、照れ臭そうにはにかみながらAは一言、ばかと呟いた。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
