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今朝の夢がずっと頭の中でちらついて離れないせいで、いつになく集中できていないのが自分でもわかる。仕事中も上の空だ。…だから、なのだろうか。
まさか。指輪を失くしてしまうだなんて。
いつもスーツのポケットの中に入れていたお守り袋。休憩時間中に夢のことがまたよぎって、何となくポケットの中に手を入れてみたら。いつもあるはずの布の感覚がないことに血の気が引いた。
それから昼食を食べる時間を犠牲にしてまで会社の中を探し回った。午前中行った場所、行かなかった場所。それから落とし物センターにも連絡を入れてみたがそれらしき物の届けはないと言われた。
結局昼休憩は終え、お腹をすかせたまま仕事は後半戦に。仕事もそこそこにして探し物を続けたけれど、結局見つからず。私は、休憩室の椅子に座り項垂れていた。
家を出る前にはあったことは確かで。会社に来てからもあったことは覚えてる。だから、間違いなく会社の中で落としたのは間違いない。にも関わらず見つからないのは、誰かが拾ったままなのか。それとも、捨てられてしまったか。
「…どうしよう」
お守りというほどのお守りじゃない。でも、確かに私にとっては大切なものだった。この一生でもう一度会えるかどうかもわからない初恋の人と繋いでくれるたったひとつの約束。
床のタイルが滲んで見える。どうしよう、どうしよう。あの子との、約束が。
「なーんか陰湿な空気出しとる奴おるやん思っとったら、Aやんけ」
突然上から声が降ってきた。顔を上げると缶コーヒーを片手に持った同僚の姿がそこに居た。「どしたんお前」と、心ないと言われている彼にしては心配を滲ませたような声にうっかり涙腺が緩む。ぎょ、と驚く顔が視界に見えながらも、その体に抱き着いた。
「こ゛ね゛し゛ま゛ァ゛ー！！」
「ちょ、何やねん！いったん落ち着けアホ！」
ぽかり。軽く頭を叩かれて、渋々腕を離せばコネシマは溜息をついて隣に座った。このまま何処か行くだろうなと思っていたから驚いてしまう。「んで、どしたん」と、少し面倒そうな顔をしながらも聞いてくれる彼に再び視界が霞んで腕を伸ばしかけたところで、手のひらを向けてストップをかけられた。
いいじゃん、少しぐらい。唇を尖らせながら訴えると、駄目やねんそれは、とコネシマは乱雑に自分の頭を搔き乱した。
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ももね(プロフ) - りんごさん» ありがとうございます！喜んでくださったようでうれしく思います。私自身も「お友達から始めませんか、」は特にお気に入りのお話でしたので続編を書くのはとても楽しかったです！この度はリクエストありがとうございました！ (2020年5月14日 22時) (
レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - ももねさん» ももね様！リク消化ありがとうございます！もう好きすぎて言葉に表せないくらい好きです！ももね様！本当にありがとうございました！愛してます！ (2020年5月13日 22時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - 天真爛漫さん» ありがとうございます！天真爛漫さまのご希望に添えたなら幸いです。今後ともよろしくお願いします！ (2020年5月8日 10時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
天真爛漫 - 作者様、素敵な作品を書くてくださり、ありがとうございました！！ (2020年5月6日 21時) (レス) id: 545c0410b5 (このIDを非表示/違反報告)
ももね(プロフ) - りんごさん» はじめまして！コメントありがとうございます。ありがとうございます…！好きなフレーズを題名にさせてもらいました！^^リクエスト承りました！執筆が完了次第投稿させていただきます。よろしくお願いします！ (2020年5月3日 23時) (レス) id: 2fa0c60296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ももね | 作成日時：2020年4月13日 19時
