249 game ページ10
【 稲荷崎 side 】
先ほど、自分たちの間を通り抜けた衝撃は凄まじかった。治に関してはしばらく黙り込み、侑もあまりの凄さに全身が震え、無意識にその体を抱きしめていた程。
「……ホンマ、凄いなぁ。Aくん。生で観ると、凄すぎて何て言うていいかもわからへん。」
「……せやろ？Aくん、世界一のスパイカー兼ビッグサーバーやし。」
「せやかて、お前、いつも選抜ん時はAくんにセットしてんのやろ？慣れてるんやないんかい。」
治の言葉に黙り込む侑。視線はずっと今もコート上で唯一ボールに触っている男に向いたまま、ごくりと固唾を呑み込む。侑が答えられない理由は、“あること”に侑が気づいているからだった。
「……全然ちゃうんねん。」
「あぁ？何がやねん。」
怪訝そうな顔で侑を見ると、その表情は緊張をはらんだような苦笑を見せていた。侑はAが選抜の時に見ている彼よりも“楽しそう”であると感じていた。なぜならばいつもより打点も高く、速度も速いからである。それは侑が“知らない銀鏡A“。そのことに侑は焦りと妬みを抱くが、それ以上に強烈な感動も覚えていた。
「あんな高さも速さも見たことあらへん。……ホンマ、カッコえぇなぁ、あの人。……たまらん。」
「そうなんか？ってことは青葉城西のセッターの方がお前よりAくんと相性えぇってことやな？……ひー、あんなサーブ取れへんて。陽和、可哀そなってきたわ。」
にやにやしながら挑発してくる治に「うっさいわ」と苦言を返すが、侑は自分の中に巻き起こる様々な感情に思わず己の胸を掴む。
＿＿ド ガンッ
「うわっ」
ノータッチエースが続く中、やっとの思いで触れたボールに体は弾かれ、ボールもまた遥か遠くへと既に飛んでいた。
『おーっと！陽和、初めて触れたボールは弾き飛んでしまいました。いやぁ、銀鏡くんの勢いは止まりませんねっ！』
(……あほか、今のは“触れた”んやない。当てたんや。)
熱の入った実況の間違いに侑は気づいていた。今のAのサーブはやや加減し、敢えて当てにいったのだ。こういった超好戦的な性格も堪らなく良い。こんなにも自分の心を揺さぶるスパイカーはAくん以外にいない。
「……なぁ、治。あないに凄いスパイクも自分のトスがなきゃ生まれへんて思うと、堪らんやろ？」
「……お前ホンマ性格歪んでんなぁ。……ちょっと青葉城西のセッター応援したなってきた。」
「あぁ？！何やてっ！？」
＿＿cool!
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狼派(プロフ) - 続き楽しみにしてますうううううううううう！頑張ってください！神作をありがとうございます！ (7月22日 21時) (
レス) @page26 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あぁぁぁぁ、めっちゃ気になるやん！続き、楽しみに待ってますわ。応援しとります。頑張ってくなはれ！ (2022年9月18日 16時) (レス) @page26 id: 257f098b04 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ (2022年3月27日 21時) (レス) @page24 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
月 - 続きが楽しみです 頑張って下さい (2022年3月10日 13時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ﾋｪ…………ついに稲荷崎戦来ましたね……ﾋｨｨｨｨ……銀鏡くんがカッコよすぎる……稲荷崎推しだからスゲェ嬉しい……更新待ってます← (2021年9月24日 2時) (レス) @page23 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haroki | 作成日時：2020年3月16日 2時
