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245 game ページ6

【 稲荷崎side 】

 
「……あかん、心臓痛なってきた。」
「はぁ?何言うとんねん、治。まだAくん来てへんし。」
「……うっさいわ。お前と違おて俺は初めてなんやぞ。」


隣に立つ(おさむ)が自らの胸の中心を押さえながら、ソワソワと落ち着きのない様子で周囲を見渡している。かくゆう侑自身もこれから現れるであろうAくんを心待ちにしていた。インターハイでこれほどまでに個人名の横断幕が掲げられる大会はあっただろうか。少なくとも自分たちが観たり参加してきたインターハイや春高の大会でも見たことはなかった。Aくんが所属している青葉城西の横断幕は1枚だが、それ以外にも何枚もの横断幕が吊るされ、その全てはAくん個人を示している物であった。観客の数もこのDコートの周辺だけ立ち見が出るほどの多さだ。
すると、会場が突然ざわざわと騒がしさを増し始め、銀鏡コールが轟き始める。ほぼ2人同時に皆の視線の先へと視線を向けると、そこに現れたのはまだ練習着のままの青葉城西の選手たちが入場しようとしてきたところだった。

「……あっ!Aくんや!」
「なっ!?先に見つけるなんて、ズルいやんっ!」

 治の視線を追い、侑も選手の入場口に視線を向けると、青葉城西の選手たちの中に混ざって自分たちが求めていた男がそこにいた。

「う、わ……ホンマもんのAくんや……っ」
「せやなー。相変わらず格好えぇなぁ。」

侑は視線をそのままに頷きを返す。会場内はまだ練習中にも関わらず大きな銀鏡コールが続いている。中には外国語でのコールも含まれており、海外からもAくんのファンが観戦しに来ていることが分かる。わざわざ海外から観に来る気持ちはよく分かる。それほどまでにAくんのプレーは唯一無二の凄さを感じさせる。自分たちもその一人だ。中学の時に偶然インターネットで見たAくんの試合に一瞬で心奪われ、今日に至る。稲荷崎の試合は明日からだというのに、わざわざAくんを観るために二人で会場に居残りしたのだ。

そして、そのAくんが今からネットの向こう側でサーブ練習に参加しようと並んでいる。侑は何度も彼のプレーを間近で見ているものの、何度見ても心が震え、感動が止まらない。自分のセットアップからAくんの攻撃が繰り広げられると考えるとそれだけで堪らない気持ちになる。彼こそが自分の追い求める理想のアタッカーなのだから。


__Partner to pursue.

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狼派(プロフ) - 続き楽しみにしてますうううううううううう!頑張ってください!神作をありがとうございます! (7月22日 21時) (レス) @page26 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - あぁぁぁぁ、めっちゃ気になるやん!続き、楽しみに待ってますわ。応援しとります。頑張ってくなはれ! (2022年9月18日 16時) (レス) @page26 id: 257f098b04 (このIDを非表示/違反報告)
雪マカロン(プロフ) - 更新ありがとうございます! (2022年3月27日 21時) (レス) @page24 id: c9091179e7 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが楽しみです 頑張って下さい (2022年3月10日 13時) (レス) id: 5ca45dddad (このIDを非表示/違反報告)
山さん - ヒェ…………ついに稲荷崎戦来ましたね……ヒィィィィ……銀鏡くんがカッコよすぎる……稲荷崎推しだからスゲェ嬉しい……更新待ってます← (2021年9月24日 2時) (レス) @page23 id: a9954d5378 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:haroki | 作成日時:2020年3月16日 2時

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