↑ ページ16
「い、いやその褒めてるんですよ……？」
慌てて取り繕ってもその努力も虚しく、真顔の総統がこちらへ一歩一歩近づいてくる。
それと同時に私も一歩、一歩と後ずさるが後方に待っているのは壁である。死、あるのみ。
「当然総統はかっこいいし料理もできるし博識だしこれ以上ない優良物件なのにその魅力に気づく女性がいないなんて惜しいなあって！惜しいなあって！つまりそういうーーー」
トンと、背中が壁に当たる。止まってくれるかと思いきや総統は止まる様子を見せない。
「その怖さがモテない原因なんですからね！！」
と言いたいのだが言える訳もない。喉にまで出かかったそれをどうにかこうにか胃ぐらいまで引っ張って押し込んだ。
私と総統の距離がちょうど数センチ、となったところで総統が私の頭の上にドン、と肘をつく。
「ひっ！」
その迫力に思わずビクッと肩が震えた。
ああ…私いま絶対みっともない顔してる……
涙目で子犬みたいになってるいたいけな私をよそに、総統は平然と頭を私の真上の壁につけてこちらを見下ろしてきた。
「どうすか？かっこいいし料理もできるし博識なこれ以上ない優良物件に壁ドンされる気分は。」
真顔を崩しこちらの反応を楽しむかのようなニヤニヤ笑顔を向けられる。
こ、こえええええ！
「ものっすごい！ものっすごくドキドキします！さすがです同志！！！」
「あほ。」
「あでっ」
感涙にむせぶ勢いで応えれば1発頭を叩いて踵を返された。私も頭をさすって持ち場につく。
人生初の壁ドンは命の危機を感じてドキドキした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 582人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雛菊(プロフ) - 美桜さん» 通知に気づかず返信が遅れてしまい大変申し訳ありません！2ヶ月以上も前に……（汗）読んで頂きありがとうございます！計算高いトントンはめちゃくちゃ気に入ってるので嬉しいです！ (2017年5月15日 1時) (
レス) id: c858a49007 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - ヤバいヤバいグルさんも超格好良すぎだけど、トンさんの計算高い感じも格好良すぎぃ！ (2017年3月4日 8時) (レス) id: 7a0b0fb690 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 酒呑童子さん» あああどうもありがとうございますうう！！ (2016年11月28日 13時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
酒呑童子 - お化け屋敷のお話がすごく好きすぎて何回もハイルグルッペンしそうになりました...！これからも頑張ってください！ (2016年11月28日 0時) (レス) id: 31dd048566 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - テル＠コクさん» おおおここにまた我々の忠実な信徒がひとり！ありがたいお言葉です！！がんばります〜〜 (2016年11月27日 9時) (レス) id: 6d4fabdf41 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雛菊
| 作成日時：2016年8月26日 23時
