絶対に恋なんかしない。【Sho】

わかりやすい。 ページ43

「そもそも私、全然可愛くないんだけど!!」

『Aはどんだけ自分に自信が無いねん』

「廉の隣に並んだら、ほとんどの人類は自信失うと思うけど？」

『いやいや、そういう話ちゃうわ!!

他のメンバーの話しとる時とは、明らかに表情が違うんやって!!』

「ん〜自分じゃわかんないけど、そんなに違う？」

自分では全く心当たりが無さすぎて、やたらと力説してくる廉に尋ねれば、

『だってさ、Aはすぐ顔に出るやん？笑』

今までの私を思い出してなのか、相変わらず楽しそうに笑いながら言う廉。

「あーでも、最初はただひたすらウザかっただけだったけど、

何故か私を必死に平野担にしようとする平野が、だんだん面白くなってきてるのかもしれない。

今はもう、平野に対して嫌いでムカついてた気持ちは無くなった気がするし」

確かに最近は平野に対する嫌悪感は薄れてきていて、可愛いなと思う事が増えたかもしれないな。

私が素直な気持ちを廉に伝えると、廉はまだ納得のいかない顔で私を見つめた。

『多分それだけやないと思う。

Aはさ、紫耀の事アイドルやなくて一人の男として好きになってるんちゃう？』

「え？いやぁ〜さすがにそれは無いって!!」

『でも、多分紫耀もAの事好きやと思うで？』

『いやいや、それこそありえないって!!』

『じゃあさ、紫耀は何でAを平野担にする!!ってあんなに必死なんやと思う？』

「それは、自分の過ちを反省してまた好きになってもらいたいからじゃないの？」

『確かにそれもあるんやろうけど、いつもはあそこまでしつこくないで？笑』

やっぱり今までのアレコレはしつこかったのね。

いや、でもだからと言って、平野が私を好きだと断定する事はまだ出来ないよ？

それに、私が平野をアイドルフィルター無しで見る事なんてありえないし。

プライベートで繋がりが出来たとはいえ、アイドルと一般人という関係性は変わらない。

アイドルにガチ恋するほどバカじゃないし。

廉の事も、ちゃんとアイドル永瀬廉を応援し愛でるというスタンスで大好きだからね。

私はそう思いつつも、

平野がもしかしたら私を好きかもしれないと言われた事に、少しだけ動揺していたのだった。

ずっと永瀬担。→←罰。

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