幸せな時間。 ページ29
『じゃあ、最後にハグしよか?』
そう言いながら、キラッキラの笑顔で私に向かって両手を広げている廉。
「え?」
『え?何、しないん?
早くしないと王子様の魔法解けてまうで?笑』
そう言って廉は私に近づき、優しくフワッと包み込むように抱きしめてくれた。
「あーあ、私こんないい想いしちゃって明日死んでたら嫌だなぁ…」
幸せ過ぎると怖くなるって、きっとこういう感覚なんだろうな。
廉に抱きしめられる事なんて、私の人生に一生無いと思って生きてきてたから。
『0時でシンデレラと王子様の魔法は解けるけど、Aちゃんと俺はこれからなんやで?
せやからさ、そこは頑張って生きとって?笑』
笑いながらそう言う廉につられて私も笑った。
「わかった、私頑張って生きる!!笑」
私がそう言えば、廉も私を見つめて笑ってくれた。
「今日はライブからバースデーパーティーまで、本当に幸せな1日だった。
誕生日に家まで送ってもらってハグした事も一生忘れない思い出になった。
廉、ありがとね♡」
『何やこれで最後みたいな言い方すんなや〜』
廉にそう言われて、ふと時計を見るとちょうど0時を回ったところだった。
「あ、魔法解けちゃった…笑」
私がそう呟くと、廉がフッと小さく笑った。
『え、何、俺にさっさと帰れって?笑』
「いやいや、私そんな事一言も言ってないから!!」
『嘘やって!!笑
じゃあ次のライブは俺が招待するから、ちゃんと都合のええ日連絡してな?』
「わかった、今日は本当にお疲れ様でした!!」
『おう、じゃあおやすみ』
「おやすみなさい」
そうして次のライブ招待の約束をして、私の誕生日は終わった。
廉と二人で過ごした時間を思い出し、その余韻に浸っていた時、急にスマホが鳴った。
確認すると"着信 岸くん"と表示されていた。
え、岸くん?
さっき別れたばかりだけど、何かあったのかと心配して慌てて出てみると、
『あ、俺。岸くんじゃなくてゴメン…』
聞き覚えのあるカッスカスのハスキーボイスが聞こえてきたのだった。
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ひかる(プロフ) - みぃさん» やっぱり続編気になりますよねー笑 確かに書くのが楽しいって思ってないと書けないですね。私も平野と付き合いたいので続編読みたいです♡(作者はお前や笑) (2021年10月17日 21時) (レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 続編お願いします。でも書くのがしんどかったら、やっぱり書けないよ〜って言っても良いと思います。作家さん自身が楽しめないと作品にそれが出ちゃいますから…私は、このお話好きです。なので続編が読めたら嬉しいな(^^) (2021年10月17日 20時) (レス) @page50 id: b27fbfb28f (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - あちゅぴさん» 楽しく読んで頂けて嬉しいです!!やっぱり続き気になっちゃいますよねー。今のところ続編希望しか来てないので、書く可能性はだいぶ高いです笑 (2021年10月17日 20時) (レス) id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
あちゅぴ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています♡続編見たすぎます!!!! (2021年10月17日 16時) (レス) @page50 id: 9024cefd53 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - かいとんさん» ありがとう!!やっぱり続編なんかな?間あけるとどんなお話だったか忘れちゃうもんなぁ〜私が笑(作者失格な)ん〜…海ちゃんはゴメン、全く考えてなかった!!笑 最近の私の読者様は、岸くんよりジンくん派の方が多いのかな?とか勝手に思ったりしてます。 (2021年10月17日 16時) (レス) @page50 id: a5e5ff503d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひかる | 作成日時:2021年8月26日 19時