*Rhapsody of Ice『2』*【氷浦貴利名】 (ページ5)

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Episode35* ページ5

野坂｢僕はAのことが好きだからだよ。｣

急な思ってもなかった展開と告白に私は驚きを隠せなかった。

野坂君が？

私を？

_______________好き？

野坂君の目は真剣で鋭く、私を捕らえて離さない。

…目が逸らせない。

『じょ、冗談はやめて。野坂君。』

野坂｢_______冗談に見える？｣

『っ！！』

野坂君は本気だ。

彼の気迫から一瞬で悟った。

野坂君の目つきが更に鋭くなる。

そして無言のままこちらに近付いてくる。

『野坂君、待って……』

ジリジリと詰め寄る野坂君。

私は等々壁際まで追い詰められてしまった。

腕を握られ、壁に押し付けられる。

知っている人のはずなのに、

怖くてしっかり顔が見れない。

野坂｢隙だらけだね、A。｣

耳元で囁かれる。

思わずゾクッとしてしまう。

怖い。

嫌だ。

『やっ、やだ！

_____貴利名ッ！！！』

愛しの人の名前。

呼んだって来るはずないのに。

涙が一筋静かに零れる。

氷浦｢A！！！！！｣

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