まだ自覚したくは無い ページ6
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ユウside
……まぁ、そんな訳で。
物置を部屋と呼ばない事に、少しだけ驚いたりはしたけど。
何かあっても良いようにと、部屋はツノ太郎の隣になった。
ファンタジー御用達の黒を基調にしたシックな部屋に、思わず内心で興奮してしまったのは秘密だ。
リリア先輩曰く、諸々の申請はもう既にしているそうだ。
つまり、私とグリムは正式にディアソムニア寮生になったという事。
二人から話が通ったのか、それとも噂を信じない高尚な寮生が多いのか敵意のある視線はあまり感じなかった。
それでも遠巻きにはしているらしく、まだ話しかけられてはいない。
｢今日はもう休みと良い。
寮服の着付けは明日しよう｣
｢了解しました、おやすみなさい。
…それと、リリア先輩｣
｢む？｣
｢…これから、よろしくお願いします｣
頭を下げれば、少しの静寂と共に上からくすりと笑い声が聞こえてきた。
肩に手を乗せられ顔をあげれば、そこには優しい笑顔。
｢良い良い、我らディアソムニア寮はお主を歓迎するぞ｣
｢…ありがとう、ございます｣
｢ではおやすみな、人の子〜｣と朗らかに言い残され扉が閉められる。
足音が遠く、小さくなって行く。
やがて音が完全に無くなったのを確認した私は、そのままズルリと力が抜けたかのようにその場に座り込んだ。
顔を覆って口から漏れるのは、深いため息。
｢あれはズルいでしょ……｣
──────それなら、僕の部屋にするか？
異性同士が同室というのは、見方によってはそういう事を疑われかねない。
非常に不純ではあるが、今の私もそうだ。
真意は聞いてないから分からない。
けれども、何処か本気にしてしまう自分が居た。
申し出を却下したのを、酷く後悔するくらいには。
今更やっぱり同室が良い、とは言える筈が無い。
肝心な時上手く言いくるめて逃げてしまう自分に嫌気が差す。
(…顔が熱い)
あぁもう、なんでなんだ。
ツノ太郎の本名がマレウス・ドラコニアと知ったのも、ついさっきのオンボロ寮での事だった。
名前を訂正するか迷ったが、｢そのままで良い｣と微かに口角を上げた優しい笑顔も、他の人に向けられているのだろうか。
いやでもそんな、まさか。
それじゃまるで、嫉妬じゃないか。
(…意味分かんない)
最近の自分は、どうも心を乱される気がする。
一晩寝れば落ち着くだろうか。
寮内の案内をされている間にとっくに部屋で眠りこけていたグリムを起こさぬように、私はボフッと布団に飛び込んだ。
(…覚めろよ熱)
こんな私が、そんな物。
抱いていい筈が無いのに。
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サッポロポテイトゥ - 最高です！リクなのですが‥わ、私オクタが大好物でして‥少し絡んで欲しいです！この話とても面白く、目からオアシスメーカーですー (2023年1月19日 13時) (
レス) @page5 id: 186cc97eda (このIDを非表示/違反報告)
マロ汰(プロフ) - 葉月さん» わー一番乗りおめでとうございます！続編も引き続き頑張って行くので、よろしくお願いします(*´∀`)♪ (2022年12月26日 22時) (レス) @page8 id: 12860d964e (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 評価とお気に入りの一人目は私が頂きました！！マロ汰様の文章や内容どれも大好きなので続編も更新楽しみに待機しております！！ (2022年12月26日 16時) (レス) id: 7976f6f747 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マロ汰 | 作成日時：2022年12月26日 16時
